大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ふきながれ

前回までのおさらい o-sumi.hatenablog.com 上棟式です。 岡山でこの催事を行うときはあまり目にしませんでしたが 東北地方で仕事をするようになってから この上棟式時に屋根の上に 高らかに吹流しを掲げる様子を見るようになりました。 このハタメク5つの色…

再び、はじまる

明日、設計監理に関わった、廣榮堂中納言本店が正式にオープンします。 小さな出来事ですが、 これからが楽しみな毎日です。 ゆあさ

廣榮堂内見会のお知らせ

新築店舗2019(岡山市中区) カテゴリーの記事一覧 - 大角設計室のブログ 店舗という建築形式故にあまり紹介できませんでしたが 計画から合わせて足掛け5年余り。 やっとの思いで”廣榮堂”本店が完成しました! それに伴いまして内見会が行われます。 下記概…

竣工写真

竣工写真。 シュンコウシャシン。 あまり聞きなれない言葉です。 竣工とは「工事の終わり・完了」を表す言葉です。 建築は完成した日から 施主のもとへお嫁に出てしまいますから 工事関係者の手を離れるその直前に いわゆる記録として、完成した空間を写真に…

おいとま

壮絶にいそがしくて 息つく暇もなく 目の前の現場を必死でクリアしていってます。 そんな中ですが、 施主の方が瀬戸内海に浮かぶちいさな島「直島」に 自分が作りたい空間があるとのことで イメージの共有のため 行ってまいりました。 交通手段はフェリーで…

かしこみかしこみ

少し前、地鎮祭を行いました。 頑張って引いた図面がいよいよ着工しそうです。 四方に竹を立て、紙垂(しで)の付いた麻縄で辺を結び、結界を作ります。 たったそれだけの操作で神域を作り出す神主さん。 昔からの様式には実用的な意味合いを伴うことがまま…

とさか

この花瓶には、鶏冠ちっくなモノが似合う。 ただ、それだけのブログ。 ゆあさ

とうほくのしごと

前回までのおさらい o-sumi.hatenablog.com だんだん秋らしくなってきましたね。 岡山生まれ岡山育ちの私にとって 宮城県での「みちのくシリーズ」の現場監理するうえで 寒さ対策が慌ただしくなりつつあります。 ブログではあまり上げていませんでしたが い…

てのひら

関わっている職人たちの掌は とても、ふかみがあります。 設計者なんかじゃ到底敵わない 独特に磨き抜かれた風格です。 そんな彼らだからこそ、 彼らの組み上げていく建物が、 まちの中で一際輝けるように 設計者が誇りと思える図面を描かないといけません。…

入り込む

古い家を直しています。 あらかた出来てきました。 古い家には、佇まいに闇の美しさを感じます。 あっけらかんとした明るさとは対照的な 物静かで、秘した、 静かな美しさです。 そのほの暗い室内に 光を取り込む装置として、今回は 控えめな虫籠窓(むしこ…

せいかつ

家づくりは、完成した時から 新しい時計が動き出します。 小さな建物を直して、住み始めた 若い夫婦とひとりの子供さんの 飾らない日常を 記録に収めることができれば いいなと思って 人物を入れた写真が素敵だなと思っている 写真家の後藤さんに 力をお貸し…

フロとヨカゼ

これまでのおさらい o-sumi.hatenablog.com 夏ですね。 暑いです。 でも、残暑、あとわずか。 暑い1日の終わりに、汗をシャワーで落とす瞬間が 最高に気持ち良く、 なおかつ、浴室を出たあとの 少し涼しくなった夜風がこれまた気持ちいい。 ほんの少しの変化…

古稀

先月、我らが設計室の所長・大角が70歳を迎えました。長寿の節目「古稀」です。 現所員にOB・OG所員を含め、皆でお祝いをしました。 私的な話にはなるんですが… 大学2年生の頃、薄暗い製図室で夜な夜な設計課題と睨めっこしていた時に、同学部のとある先輩に…

遊びながら

「暑さ寒さも彼岸まで」とよく聞きますが、晩夏侮りがたし。 ことわざ通りと思いきや昨日からの猛暑にノックダウン気味です。 大角事務所は最近コンペに参加しました。 コンペとは、たくさんの設計事務所が思い思いに建物を提案する設計競技で、 一番以外は…

点と点

今年もインターンシップの時期がやってきました。県外からインターンを希望された学生達が来てくれています。 今日は大角設計室が設計監理する現場の見学に加えて、この土地の歴史に触れてもらいたいと思い、倉敷玉島を少し探訪しました。 テーマは「綿花と…

京都へ

茶室付きの家を設計しています。 o-sumi.hatenablog.com 昔ちょびっと湯浅さんがCMしておりましたが。。 ながいながい設計をへて、 やっと動き出しそうなのです。 ということで茶室の専門家の方に相談をさせていただきに京都へ行ってきました。 茶室といえば…

緑陰薫る

ある茶室の竣工写真の撮影で、 総社の勝福寺という山寺に行ってきました。 この勝福寺は真言系仏教宗派のひとつ御室派(おむろは)と呼ばれる宗派で、 弘法大師(空海)を宗祖としているとのこと。 住職様のご厚意で、 床の間に千利休の描かれた掛軸を設えて…

山口敏郎展覧会のお知らせ

かなりご無沙汰の更新です。 と言いますのも缶詰状態で図面を書いており しばらく現場から遠ざかっておりました。 建築はまだ見ぬ作品に対してお金を支払っていただきます。 普段の買い物とは順番が違います。 そしてとても大きな買い物です。 デザインや性…

経験を超えて。経験を辿って。

複雑な現場です。 なにがって、形がです。 とはいえ何も突拍子もない形を作っているわけではなくて 敷地形状に無理なく沿わした形にしたために 平面形状(間取り)が四角形ではなく、微妙な角度が連続する建物となりました。 建物を90度や30度などはっきりし…

宵闇

だいぶん日が暮れるのが遅くなってきました。 夏の音もちらほら聞こえます。 そんな時期は、宵闇ごろに ゆったり散歩したくなります。 大角設計室の建物のまわりを散歩してみましょう。 夜の民家の風景というのは 近代に電球が普及して始まったものだと思い…

黒い光のなかで

再生工事が進んでいます。 新築工事と違い、再生工事の現場はややほの暗いのです。 工事が始まる、その最初から、既存の屋根や壁に囲まれた独特の雰囲気が 工事室内を落ち着いた、 悪く言えば、ほんのすこし、どことなく陰気な雰囲気を醸します。 再生工事は…

無垢の木が無垢の木になるまでを

現在設計監理している店舗の材料を見に 名古屋にある、製材所を訪ねました。製材所とは山から切り出された丸太(原木とよばれる)を建築用材として必要な寸法/形にカットし形を整える下準備をする工場です。 大角設計室はほぼ99パーセント「木造」の建築を…

しれっと

しれっと32年目になります。 大角設計室が開設したのは、昭和62年です。 ほぼ、今終わらんとする、平成という30年と2年少しを 大勢の施主の方に理解いただき 個性もバラバラなスタッフで、大角の号令のもと コツコツとちいさな家を創りあげてきました。 写真…

玉野の家最終回

先日からパリのノートル=ダム大聖堂の火災の話題でもちきりですね。 大変残念なニュースで心を痛めています。 本来ならば遠くの国の遠くの文化の話なのですが、2年ほど前まだ僕が学生の時に訪れておりまして、追憶を少し。 パリのノートル=ダム大聖堂はゴ…

新年度!!

いよいよ新年度ですね。 1日に更新すると嘘をつかなくては…と、いらんサービス精神が顔を出すので2日の更新です。笑 今年度も大角設計室をどうぞよろしくお願いします! 新元号も「令和」と発表されました。 未だ耳慣れないし予測変換でもサクッと出てきては…

透明な作意

玉野の現場が佳境に差し掛かっています。 外装、内装に取り掛かり、たちまち現れる“できてきた”感にとてもワクワクします。 それもそのはずで、この時期には左官屋さんや内装屋さんなど、たくさんの業種が一斉に作業をしてくれています。 周囲の足場も取れて…

引渡し直前

広島県での長きに渡るプロジェクトがようやくゴールが見えてきました。 今回は、住宅や店舗ではなくお寺さんです。 100年ほどの建物の再生工事です。 個人的には古い建物をよく見に行きますので こういった建物の改修に関われることができるのは 大変嬉しい…

はじめまして

新しい工事が、続々とはじまっています。 昨年末に調整を繰り返していた工事が始まって久しいですが、なかなか ブログを書く間もないほど忙しく、 でも、 流石に、これほど大変な工事の面白さや それに携わる職人の方々の素晴らしさを お伝えしないのはもっ…

今日までそして、今日からも。

これまでのおさらい o-sumi.hatenablog.com 現場監理を設計事務所は行います。 工務店と施主の方と三者で、現場で、または打合せ場所で、 あーでもない、こーでもない。と図面では伝えきれてない情報を 共有し、同じイメージに向かっていくためです。 そんな…

はじまること。閉じること。

再生工事が始まっています。 岡山県岡山市でのプロジェクト。 古い建物をなおすということは いったいどういう意味を、施主のかたに与えることができるのかを いつも考えているのですが なかなか、目の前に広がる魅力的な民家の姿に見合うほどの 美しい言葉…