先日からパリのノートル=ダム大聖堂の火災の話題でもちきりですね。
大変残念なニュースで心を痛めています。
本来ならば遠くの国の遠くの文化の話なのですが、2年ほど前まだ僕が学生の時に訪れておりまして、追憶を少し。
パリのノートル=ダム大聖堂はゴシック建築と言う様式の初期を代表する建築だったそうです。
ゴシック建築は権力と宗教が直接的に結びついていた時代に権威と威光を示すため、民衆に向けて開かれ、”分かりやすく 凄い”ということを目的に作られました。
あのルーブル美術館のすぐ近く、川辺にあり正面には大きな広場のある建築で、完成した12.13世紀から変わらず民衆に愛されていたことが伺える賑わい具合。
正面には門のように出迎える2本の党と中央にバラ窓と呼ばれるステンドグラス。
内部を明るく煌びやかにする為に、ゴシック様式は石積みでありながら壁構造から骨組み構造、柱と梁(アーチ)の形態に移行し、大きな開口を獲得しました。
この建築は文化や価値観を飛び越えるほど有無を言わさぬ迫力があり、その目的通り感想はただただ”凄い”の一言に尽きるのです。
いつかもう一度訪れたいものです。
さて、シリーズでお贈りしていた玉野の家が、遂に引き渡しの時期となりました。
僭越ながら最後の仕上げにワックスがけをしてきました!
無垢の板を張った床に透明なオイルで保湿します。
粉っぽく白んだ木肌が本来の色味を取り戻していきます。
なかなか大変な作業ですが、後輩くんがめっちゃ上手で頼もしさを感じたりしました☺️
シプルな外観
華奢ながら大きな障子が玄関土間と居間を柔らかく仕切ります。
このキッチンカウンターでどんな会話が交わされるのでしょう…
茶の間は大角設計にしては珍しいホワイトボックスです。
腰窓からは崖の草がチラリ
最高にパリっとした空間になりました。
その茶の間から居間と土間を臨みます。
大角と湯浅が腰掛けています。
縁側のように使用したり茶の間と居間を一つの空間として使用したり。
引き戸のある日本ならではの流動的な空間になりました。
ぼくが最初から関わった初めての物件で、たくさんの学びと実践の場でした。
これで大角設計での一歩目を踏み出せた気がします。
うえにし