大工工事がどんどん、そして、じわじわ
様々な工程を注意深く乗り越えつつ現場は続いています。
写真を見て、クレーン高すぎじゃない?と思った方。。あなたさまは、目ざといです。
建物の屋根を遥かに越えて伸びるクレーンは
建物の規模を密かに教えてくれます。
写真では分かりづらいですが
実は奥へグーンと伸びた敷地いっぱいに建物が配置されたプロジェクトなんですね。
こういったケースは
まずありえないシュチュエーションです。
なぜなら工事の難易度が上がるからです。
建物を敷地に余白をもたせて建物を配置しますと
工事の足場がしやすいようになりますし、
工事のクレーンがコンパクトですみますし、
ものを運ぶ距離が少なくてすみますし、
工事の材料を置いておく場所も確保しやすく、
工事車両も敷地内に駐車スペースが確保されます。
つまり、
「作り手の都合上」いいとこだらけなんです。
でも、今回のケースでは、大角設計室は
敷地目一杯に建物を配置して、
工事終了後の生活のスペースの拡大につながることを第一にデザインしています。
おまけに内部もぶち抜きの吹き抜けがあって
内部空間は内部空間で、難易度高めです。
内部にも足場がぎっしりです。
内部での作業スペースも圧迫しまくりです。
足場が取れた瞬間
大変だったけど、やった甲斐があったなぁと
大工さんたちに思ってもらえるように
設計者にはプレッシャーがかかります。
でも全ての「作り手の努力」が、全部「住まい手の未来」のために還元できるように
形や配置、その他もろもろのデザインは調整されています。
一見すると「作り手いじめ」のような難易度の図面を
大角設計室は描き続けてきましたが
本質的には、単なる形遊びを超えたデザインになるように努力しています。
ところ狭しの現場では
文字通り足の踏み場もないような材料で溢れかえり、
工事してくれる各職人達による努力の視覚化と言いますか、
日本の建築技術の高さへの感謝でいっぱいになります。
現場では、少しづつでも、住まい手、及び、設計の意図を読み取ろうと
目一杯の力で、設計者と施工者はタッグを組んで家を創っています。
ゆあさ