家を考えるうえで
それぞれのプロジェクトで似合う「顔」とはなにかを
いつも気にしています。
そこで重要になるのが玄関の面構え。
なかでも玄関のトビラがどのように周りのデザインと同時に
つくられているかが大きな要素となります。
最初の写真は「ようこそ」と入りたくなるデザイン。
次の写真は逆には入り口をわかりづらくして
少し侵入を拒むような扉がデザインされています。
でも排他的になりすぎないように
二階は逆にオープンなデザインでバランスをとっています。
建物が「新築」か「再生」かどうかでも
トビラのデザインの決定要素にもなります。
重厚すぎる茅葺民家の要素を和らげる、すこし現代的で
細やかで軽快な格子を玄関戸としてデザインしてバランスをとっています。
逆にこの新築住宅の玄関は、チャラチャラした感じにならないように
腰板をつけて少し重みを付加したデザインになっています。
同じ格子戸のようなデザインでも先ほどの格子戸と印象が全然かわります。
素材の違いでも、その空間の見え方やイメージは変わります。
漆喰でしっかりとした重厚感をもったデザインと
それを取り付ける枠もモダンだけれど重厚になるようにしています。
その蔵戸に倣った現代版として
現代的な鋼板を貼り上げたトビラ。
新築住宅ながらも落ち着いた雰囲気のエントランスになっています。
木でつくると視界をシャットアウトしながらも
やはり柔らかい雰囲気が出ます。
桟の大きさのバランスがむつかしいですが
上手く割り付けられると、シンプルながらモダンなデザインとなります。
こうして振り返ってみると
色々作ってますね。
人の表情が無限大にあるように
デザインのパターンもいろいろあります。
大角設計室はトビラを各プロジェクトごとに創ってもらうことが多いのですが
設計事務所といえど、ほとんどの事務所は意外にも既製品を使います。
設計を生業にしていながら扉はデザインしないようです。
それは金額や工期、メンテナンスしやすさ等、
いろいろな事情があるのだと思いますが
出来れば、創ることをオススメします。
自分の家を象徴するような面構えを
楽しんでみてください。
ゆあさ