大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

受賞報告。住まい手と喜ぶ。



 

「倉敷の町家」が倉敷市建築文化賞を受賞しました。

 

 

そんなこんなで、倉敷市役所で表彰式に参加してきました。

 

 

倉敷市では、市民のまちづくりへの意識高揚や建築文化を高めることを目的に

建築物として存在感があり、なおかつ、周囲への調和や配慮、

都市景観形成への貢献を基準に審査されています。

 

わたしたちの考える「民家」とはまさに、そういったモノであると思います。

 

建築はよく芸術だと言われますが、

正確には「社会的芸術」と呼ばれるべきものです。

 

住宅は確かに個人の物ですが、同時に町に住むひとびとにも風景として

影響を及ぼすものです。

そういった意味では、個人のものであり、同時に、みんなの物でもあります。

だから「社会的芸術」なんでしょうね。

 

 

 

 

でも個人的には、最近はこの「社会的芸術」という言葉は

大角設計の創っている住まいには適さないかなと思っています。

じゃあなんていう言葉がいいのかなってかんがえると

「社会的芸術」ではなく、

「社会的民芸」なのではないかなと思っています。

 

 

民芸とは思想家の「柳宗悦(やなぎむねよし)」が創った言葉ですが

一般の名もなき庶民が手掛けた日常雑記に美が宿るとの考えです。

 

「民衆の芸術」ではなくて

「民衆の工芸」のことをさします。

 

 

授賞式には、大角設計室から独立した平野さんもおられ表彰されていました。

 

さらに隣には、私達もお世話になっている工務店の社長。

 

 

 

 

さきほどの「民衆の工芸」を担うのは間違いなく

地方に根を張る目立たない、確かな技術を持つ職人たちです。

 

そしてそれを共に実現していくパートナーは

地方の設計事務所かもしれません。

 

 

忘れていけないのは、

そうした建物の最初の構想者である

住まい手が、勇気をもって私達に仕事を託してくれたからこそ

素晴らしい仕事が完成します。

 

そういった意味で、この賞は

「住まい手」「設計者」「工務店」の三者を顕彰していただける

素晴らしい賞だと思います。

 

今回の受賞も、「住まい手」が喜んでくださったことが

何より嬉しかったです!

 

 

 

奇しくも、倉敷は「民芸」の町です。

 

 

これから先も、私達やその他大勢の人と

こつこつと、コツコツと、ほそぼそと、

目立ちませんが、きらりと静かに光る、「民家」を

創っていけたらいいなと思っています。

 

 

ゆあさ