大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

やわらかい基礎

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民家をベースに設計している私としましては、
あくまで個人的にですがコンクリート工事に若干抵抗があります。

日本は地震国ですから、現行法規では基礎部分を
コンクリートで建物をしっかり緊結する必要があります。
自然エネルギーに対抗する為に活用できる程
コンクリートという素材は強いわけです。

それは同時に自然の一部である人間に対しても、時として
強すぎるのではないか?なんて考えたりもします。
もちろん、だからこそ逞しいデザインの可能性が広がっているのも事実ですし、
現在の建設技術の中では頼りになる素材の一つです。


しかし今回の現場は、コンクリ−トの表情を少し和らげることができそうです。





コンクリートを流し込む型枠を作っています。
おわかりになりますでしょうか?

そうです。
すこし、ほんの少しだけ湾曲させています。
そうすることで、コンクリートにやわらかい質感がうまれないかと
今から楽しみです。実際はほとんど隠れる部分ですので
工事監理者として勝手に楽しみにしているだけですが。



建物の下には必ず基礎がある。
その当たり前の現状がいつの日か
技術革新や建築家のアイデアや工夫で、
やさしいコンクリートのようなモノが可能になれば
素晴らしいことだなと思っています。


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ゆあさ