大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

2021-01-01から1年間の記事一覧

光陰矢の如し

2021年もお世話になりました。 あっと言うまでしたね。 いつも時間が足りません。 多くの場所で、いろいろな人々に機会をいただき 建物をデザインすることが出来ました。 本当に感謝しております。 時間の過ぎゆくさまを表す言葉に、光陰矢の如しというもの…

かろみ

軽み。 かるみ、または、かろみ、ともいいますが、日本建築ではしばしば この「軽み」という言葉が使われます。 現代建築ではあまり使われてはいませんが・・。 建築だけでなく、茶道や華道、歌などでも 日本文化のデザインの思想や様子として使われています…

立ち返る

図面を年末に向けてあわただしく進めています。 図面を描く時に最初に大角設計で行われるプロセスは 大角のスケッチが最初です。 スケッチを見ると 大角が何を考え、何に悩み、何を実現しようとしているのかが スタッフは感じることが出来ます。 それを、施…

手で愛でる

長い長いカウンターをつくっています。 6mくらいの幅広い板を特別に使いました。 無垢の木は、反り上がったり、変形したり、ひび割れたり なかなか厄介な存在ですが、 使っていく時間の中で、 思いもよらない輝きを発見できる、素敵な素材です。 建物を長く…

丸太の下処理

棟上げに向けて宮城県の若夫婦家族のためのプロジェクトが動いています。 建物を建てる場合、工事は二手にわかれてすすみます。 一つは宅地で行われる「基礎工事」。 コンクリートで建物を支える、家の一番下の構造体をつくる作業ですね。 そして二つ目は「…

丁寧につくる

日本全国で、田んぼの収穫が終わりをむかえようとしています。 田んぼを背景に建つ住宅は幸せです。 テマヒマかかる田んぼは、風景としてそれだけで美しく まわりに素晴らしい景色を生み出してくれます。 しかしながら、すべての住宅が美しく この田んぼの風…

完成建物その後

倉敷の町家の写真撮影に行ってきました。 すこし落ち着いた風格が出てきている様子。 完成直後から半年くらいが経過しているので、 設計監理していた頃とはちがい、親元を離れた我が子に会いに来た感覚です。 この家の特徴と、設計者の意図、住まい手のライ…

地鎮祭

敷地は備中松山城の麓。 この日、朝は放射冷却によって現れた霧たちでもわもわと覆われていて、 昼頃には澄んだ秋晴れでした。 小高い山に囲まれ、穏やかで、なんとなくの安心感があり、 傍にはゆっくりと北を目指す伯備線。 四季や時間帯であらゆる表情をみ…

見学会来場御礼。

見学会無事に終了いたしました。 住まい手のご厚意で、実際に何組かの方にご来場いただき 出来立ての生活の器をご覧いただきました。 ちょっとだけ、庭木も植えてあり すこし、外部の雰囲気が柔らかくなっていました。 ご来場いただいた方の中には これから…

10月30・31日 中庄の家完成見学会申し込み

10月30日(土) 31(日) の2日間、 倉敷市中庄にて完成見学会を開催します。 子育て世代に向けた「ちょうどよい加減」そんなテーマのすまいです。 現在何組かご連絡・予約いただいております。 まだ申し込み可能です。 大事なことなので二回目の投稿記事です。 …

家具の表情

家をつくられているほとんどの方が、工事中に悩まれるれることがあります。 それは「どんな家具が自分の家には似合うのか?」です。 この写真の家は色々な家具が目に見える範囲に色々置かれた 家具バリエーション豊かなプロジェクトでした。 設計者によって…

中庄の家 完成見学会

10月30日(土) 31(日) の2日間、 倉敷市中庄にて完成見学会を開催します。 子育て世代に向けた「ちょうどよい加減」そんなテーマのすまいです。 水廻りを中心にぐるぐると周遊できる便利で快適な間取りになっています。 ご検討中の方、すまいづくりの参考にな…

面構え

家を考えるうえで それぞれのプロジェクトで似合う「顔」とはなにかを いつも気にしています。 そこで重要になるのが玄関の面構え。 なかでも玄関のトビラがどのように周りのデザインと同時に つくられているかが大きな要素となります。 最初の写真は「よう…

「いつもどおり」を疑う

o-sumi.hatenablog.com o-sumi.hatenablog.com 茶室の工事が着々と進んでいます。 今回は茶室の屋根について書こうかなと思います。 材料は茅、柿、瓦、など多岐にわたります。 ちなみに柿(かき)と柿(こけら)は違う漢字ということをご存知でしょうか。 …

完成見学会(10月30土31日)

久しぶりに、住宅完成見学会を行います。 期間は10月末の土日開催です。 詳細はまたお知らせします。 ふるってご参加ください。 お楽しみに。 大角雄三設計室

あき

大角雄三設計室は建築の設計を生業にしている事務所です。 設計事務所にしては珍しく、仕事割合の9割くらいは 個人住宅のしごとをしています。 毎日毎日家の設計のことばかり考えています。 そんな私たちの仕事ぶりをみて 「毎回毎回家ばかりつくって、飽き…

施主との対話。家の跡。

メンテナンスごとで久しぶりに 宮城県の家に一年ぶりに御呼ばれして行ってきました。 敷地は少し高台にあり、いつも車を運転しながら 丘を越えて見えてくるこの家の雰囲気が好きです。 傾斜地に向かって思い切って建物配置が寄せているデザインになっている…

新しいこと

大角設計室は新しい挑戦をしています。 大角設計室のデザイン的なスタイルが先ずあって、 そのスタイルに期待をいただいたお客さんが 事務所に設計依頼をしていただいています。 つまり設計依頼いただく時は 「ある程度いままで見たことのある範囲」でのデザ…

アート、あと、かいせつ

兵庫県で開催されておりました、鶴林寺アートプログラムも本日をもって終了です。 ご参加いただいた関係者の方々、 またご来場いただいた大勢の方々ありがとうございました。 大角設計室も参加アーティストとして参加しておりました。 展覧会主催者側から 「…

だち

「だち」。っていい言葉ですよね。徳島の施主から、碧のお便り届きました。 「どう」って言葉もいいですよね。広島の施主から秋のお便りが届きました。 県外での仕事が長くながく続いておりますが その度に、新しい住まい手や職人のかたがたと はじめまして…

光があります

美装が完了し、まもなく竣工引渡しとなる中庄の家。 外部を切り取る開放的な掃き出し窓と内部に落ち着きを与える手摺格子。 外部と内部の距離、ちょうどよいところに落とし込めたかなと思います。 格子の存在により外部から差し込む光に形やリズムが与えられ…

日めくり建築日記

大角設計室は日々いろんなことにチャレンジしています。 食。建築。アート。音楽。デザイン。 それら様々な職域を横断しながら思考の領域を広げていきます。 そんなこんなで、今年も 「アートプログラムin鶴林寺vol.5 施美時間」にアーティストとして招待さ…

建築の化学

建築の科学的な要素は物理の側面が目立ちますが わりかし化学もたくさん関係してきます。 自分は学生時代は物理より化学の方が得意だったのですが 大角建築の化学的側面をちょっぴりお話しします。 建築の化学といえば空調や腐朽性、コンクリートなどいろい…

室内のフレーミング

大角設計室のブログでは何度か「窓」について 記事を書いたことがありますが、 今日は直接的に「まど」についての記事ではありません。 似て非なるものについて少し書いてみようと思います。 ブログタイトルにも書きましたが「フレーミング」です。 美術の世…

窓の先にあるもの

現場に行って楽しみにしていることは色々あるのですが、 中でも、工事現場で取り付けられた、窓から見える風景は格別です。 周囲の状況によっては、窓が取り付けれないケースもあります。 不透明なガラスにする必要や、そもそも窓がないというケースです。 …

とうぼぐ

東北の現場に通ってそろそろ8年くらいでしょうか。 ありがたいことに、一つの現場が完成したら、 その現場を見ていただいた別の方が、次、次と仕事を繋げてくださいました。 そんなこんなで、現在東北では工事中が一件。 着工開始が一件。 設計途中が一件。…

棟上げとは何か

今年も担当している現場のいくつかで建物の棟が上がりました。 よく家を建てるイベントで「棟上げ(ムネアゲ)」という 言葉を聞くとおもいます。 家を建てる方にとっては大イベントです。 人生に例えるなら「出産」でしょうか。 昨今の一般的な住宅事情から…

デザインの勝敗

暑い日が続きますね 夏ってこんなに暑かったっけ、と 毎年びっくりしてる気がします。 先日まではオリンピックが開かれていて ミーハーなので連日観戦を楽しんでいました。 スポーツの勝敗は明快でとても胸がすく思いがします。 一方で開会式、閉会式はご覧…

茶の道はヘビ

前回予告した2棟目の 仮組みの様子をお送りします。 o-sumi.hatenablog.com 今回の茶室は前回のものより少し大きく、4帖半あります。 利休の師匠である紹鴎の4帖半を利休が踏襲して作った茶室をそのまた弟子がアレンジして作った“又隠”という茶室を基にして…

風景を作る

また一つ新しい家ができました。 大きな屋根が特徴的な外観です。 この家はお父さんと息子さんで2代にわたって大角設計にご依頼頂きました。 奥の漆喰の家が30年くらい前の大角作品です。 白と黒でよく対比がなされていますね 背景の山は植林されていない雑…