大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

施主との対話。家の跡。

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メンテナンスごとで久しぶりに

宮城県の家に一年ぶりに御呼ばれして行ってきました。

 

敷地は少し高台にあり、いつも車を運転しながら

丘を越えて見えてくるこの家の雰囲気が好きです。

 

 

 

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傾斜地に向かって思い切って建物配置が寄せているデザインになっているおかげで

丘の上の高台から最高のロケーションを望むことが出来ます。

 

 

小さいながらも、なんとも落ち着く空間になっています。

 

 

 

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建物を傾斜地側に向かって思い切って寄せて配置しているので

敷地中央部に余白が生まれ、玄関前には中庭が設えてあります。

 

この家は収納や、暮らし方についてを

どうデザインに昇華していくかが監理者としては大きなテーマでした。

 

例えばこの玄関ひとつとってみても

家族がどこで靴を履くか。

姿見の配置。小物の収納。電子鍵のこと。

郵便受けのこと。インターフォンのこと、などなどコトコト・・

 

いろんな事があったなやァ~。としみじみ思いだします。

 

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住まい手が望まれている空間イメージを

何度も現場に立って理解しながら

大角設計室の空間の骨格とすり合わせていきます。

 

 

 

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こんなトイレが欲しいという何気のない会話から

 

窓の大きさや照明器具、材種、質感などを総合的にデザインしていきます。

 

 

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この家は道路からの距離感を如何に適切にとって

適度なプライバシーと開放性を両立させる必要がありました。

 

その為に中庭のプランになっているのですが

ただ単に中庭だけだとデザイン的には不完全なので

植栽や、車庫棟、門、内障子などで

グラデーション的に視線を調整できるようにデザインしています。

 

 

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この家で一番最後まで悩んだ箇所が

家事室と洗面脱衣所、ファミリークロゼットへと続く動線です。

 

現場に入っても、なんだかしっくりこないなぁと、ずっと悩んでいて、

最終的に工事途中で閃いたのですが

一部の壁をやめて扉をつけて劇的に使い勝手がよくなりました。

 

 

設計は結構粘り強く考え続けることで

思わぬ良い可能性を秘めたデザインに気づくことがあります。

 

 

設計図面をかいてその通りにつくってもらえば

充分合格点のものは間違いなく出来るのですが

図面以上のデザインが工事現場に埋まっていることもまた事実です。

 

 

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練り上げに練り上げた結果

食洗機と収納家具との距離感が抜群にはまったりと

うれしいデザインの工夫がいっぱい詰まったお家に

住まい手と一緒に創りあげることが出来ました。

 

 

 

 

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「ゆあささーん。ちょこっとでいいのでこんなスペース欲しいんです~。」

 

そんな施主の要望をお聞きして、

それにふさわしい大きさや位置をデザインして

出来上がったデザインがこの家にはいっぱいあります。

 

 

今後の住まい手たちの人生を

ながく彩ってくれるといいなと思っています。

 

 

 

ゆあさ