前回予告した2棟目の 仮組みの様子をお送りします。
今回の茶室は前回のものより少し大きく、4帖半あります。
利休の師匠である紹鴎の4帖半を利休が踏襲して作った茶室をそのまた弟子がアレンジして作った“又隠”という茶室を基にしています。
3代も継承されたのでその間にどんどん複雑になって行ったのか
複雑な屋根が平面の柱位置をガン無視して乗っかっている
そんな摩訶不思議な建物になっています。
木造のセオリーを無視する建物ですが、
それを成立させている秘密の構造の一つが「敷居・鴨居」です。
鴨居とは引き戸を動かすレールの機能をもつ材で、
通常鴨居とは構造としては全然効かない材料です。
それは建物に対しての「細さ」や
軸組が立ち上がってから差し込むという「施工順」によるのですが、
茶室はそもそも建物が小さいので相対的に材料としての断面比率が大きくなります。
また軸組と同時に鴨居を入れるという施工順により
鴨居の仕口を絵のようにめっちゃ長くすることで
構造材として利かすというウルトラCをやのけます。
もちろんこれは法的に要請されている構造に+αとして行っていることですが
現行法規“だけ”で安心することがとても危なっかしいことだとご理解いただけると思います。
今回は屋根がちょっと複雑なので隅木という屋根の角っこの材料が入ります
それを竹でするんですから激ヤバです。
これは珍しく大工さんも弱音を吐いていました。笑
こちらの床柱はサビ丸太に節あたりをハツった詫び〜な感じです
廻縁もサビ丸太ですし茶室らしい茶室になりそうです。
現場に立つのが楽しみですねー
その帰り、大角さんがお茶のお稽古をしてる茶室で
ご相伴に預かっちゃいました。
茶室へ続く道
日本の庭は雨が一番綺麗ですね。
所作、さすがです!
茶の建築的なお勉強は些かはしていますが
やはり茶室は究極の実用空間なので
使ってなんぼ!です
知識として理解していたあれこれを感覚として体験する。
まさしく“腑”に落ちる体験でした。
知識がなければ体感も表層のものになります。
この感覚は入念な事前準備をもってして成るようです。
知る前と後では見える世界が違ってくるのはどの分野でも同じことで
そこに学びの楽しさがあって、
翻って知識だけの学びでは
頭は固くなるばかりのように思います。
だからかやっぱり経験豊富な大工さんの話は面白いし含蓄が深いです。
じゃの道は蛇
多少勉強したからこそそう感じるのかもしれません。
茶の道は険しいなぁ
うえにし