また一つ新しい家ができました。
大きな屋根が特徴的な外観です。
この家はお父さんと息子さんで2代にわたって大角設計にご依頼頂きました。
奥の漆喰の家が30年くらい前の大角作品です。
白と黒でよく対比がなされていますね
背景の山は植林されていない雑木林が広がっています。
紅葉が綺麗なので秋にはいい絵が取れそうだなとシメシメしています。笑
大角の口癖で「風景を作らんといけん」というのがあります。
もちろんどんなものであろうと風景ではあるのですが
“健全”であることが肝要です
今や内側の快適さだけを求めて風景にならない家が本当に多いですよね。
思うに健全でない風景は
ロボットのような意思決定が作るのかなと思います。
ただ要求に合わせて効率的な決定を下す。
そんなことが繰り返されると風景が不健全になるのではないかと思います。
リビングは広い吹き抜けになっています。
太い梁が奥に向かって伸びています。
梁の高さの“ズレ”が隙間や奥の気配を作っています。
もしロボットが作ったならこの空間は
「太イ梁ト、ロフトノ梁ヲ同ジ高サニシタラ効率的デス!」
なんて言われてコンセプトは失われるでしょう。
和室は窓周りを漆喰塗にしてモダンな空間にしています。
柱は化粧なのでカンナを掛けてピカピカです。
でもそんなひと手間は柱を隠す「大壁」にすれば必要ないですよね。
建築はたくさんの職人さんの仕事の上に成り立ちます。
大角設計の建物はいろんな職人さんの仕事が表に出ます。
非効率ですし手が抜けないし気が抜けないです。
でもクロスで全部隠してしまうよりよっぽど健全です。
健全な風景はそんな「効率」以外の意思決定の積み重ねで出来上がるのだと思います。
今周りにあふれているその「効率」は全然あなたの知らない「誰か」が儲けるため、楽をするためにあるのかもしれません。
誰かの為の「効率」よりあなたの為の「非効率」もあることを知ってもらいたいです。
うえにし