大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

ESPAIO TAO JAPAN


遂に完成しました。
いや、ふたたびうまれ、これから生を生きるといった方がいいのでしょうか。


どこにでもある、
ありふれた家の、生命の物語。



大角設計室の創る建物は、
ありふれた建物がほとんどです。

ありふれた家。

ありし日、触れた家。



決してあから様に見えるわけではありませんが

全ての家に、大切な時間が詰まっており、
刻まれた時間は、家のそこかしこの傷跡から
吹き出しています。





この時代に流行った壁紙はややくすみ
ありふれたプリント合板は日に焼け、飴色に変色しています。

市松に貼られた寄せ木の床板。

それら全てが時代のアイコンでした。



今回はこの主を失った家が
現代アートの力と共鳴しあいながら

再び、甦えり、私達にエネルギーを分け与える空間として
再生しています。

私達のデザインする建築は、古い建物の場合
「延命」する意味合いも確かにあるのですが、
やはり、古い家をベースに考えるといっても

単なる「過去の反復」ではならないと思っています。


現代の生活様式や、感性の変化は新しさを確かに必要としています。
その前提に立って、大角設計室は
現代に「再生」された家をつくりたいと思っています。



今日はこの工事の一つ目の区切りとしての
お披露目会です。

心をこめて作られる料理が
空間に笑い声を響かしてくれます。



昨日まで見慣れれていはずの色褪せた風景が
急に鮮明な光景として浮かびあがります。



この家で空間を創りあげているのは、最小限の建築工事と
空間に合わせたアート作品。そして既存の建物の質感です。



多くの日本の家にはアート作品等飾ってありません。
何故でしょうか。

その理由を多くの人はこう答えます。
「私の家はアートなんて似合わない(似合うような立派な家じゃない)から」
という答えが十中八九。




でも、その答えは実は理由としては不十分かも知れません。

この家だって、特別な建築の設えは特にありません。

であるならば、あなたの日常空間に
ほんの些細な変化を建築やアートが与える事ができるなら
こんなに楽しい空間になる可能性があるかもしれません。


しかしながら、全てのアートがどの空間にでも
似合う訳ではありません。



やはり、選ばれた空間の相応しい場所に
相応しい大きさ・質感のものを置かなければ
効果的な空間は生まれません。

建築工事も同じで、ヤリッパナシに見える
むき出しの梁や天井においてさえ
プロは隠れた塩梅を施しているものです。



ほんの些細なデザインの加減なんですけどね。
ここがなかなか難しくていつも
現場で悩んでしまいます。



隠れていた梁もなかなかいい表情です。





そんなこんなで楽しい仕事でした。
来年からも少しづつ手を加えていく予定です。
楽しみです。


ゆあさ



                                                                                                                      • -

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