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今回は予告にあった物置小屋について書こうと思います。
元々は炭や薪を置いていた小屋だそうです。
簡易的に作ってあり、骨組みが最小限で効くような構造をしています。
丸太の雑木で組まれた軸組は細いながら野性的なダイナミックさがあります。
しかし、江戸末期に建てられているので、やはり節々に綻びが目立ちます。
この建物も茶室同様文化財登録をされています。
なので、茶室同様資料を集め、どのように再生するかを決めていきます。
しかし茶室の「昔の一番魅力的な時期に還す」というコンセプトとは違い、
新しい要素も加えながらよりよくなるように更新するという方針にしました。
それは同じ文化財でも、現在の使用に今後も耐えうるかを検証し、
少しでもより良い物になるように、未来へタスキを繋ぐように
そんな再生ができればと思います。
工事が進み、内部にしっかりと新しい材料で補強しています。
この時期の現場では
「古い建物を内部から支えるように、新しいフレームを挿入する。」
そんなコンセプトが明瞭に表れています。
まだまだ始まったばかり。
これからどうなるか楽しみです。
うえにし