最近一段と日が短くなってきました。
なんだか2時くらいで夕方みたいな気分になりますね。(笑)
さて大角設計室の新しい仕事で茶室を直すことになりました。
また茶室の仕事に関われて、楽しみです。
気を引き締めてまいります。
体系化されていない分、直す時の勘所を探らなければなりません。
そこで同じ流派で尾道にある茶室を見学に行きました。
茅葺で藪之内家の「燕庵」の写しとされる茶室です。
あんまり公開されていないそうなので役得でした。
写しとは言え尾道らしく、起伏に富んだ露地の上にっちょこんと乗る茶室
お寺の縁側から見ると全体が風景になり、
茅葺の屋根が農家小屋のようです。
建立当時はありふれていたであろう風景をミニチュア化して庭に取り入れる
侘び茶のこころがうかがえます。
待合からまっすぐ、シンメトリーな佇まい
しかしやっぱり茅葺の茶室はいいですね、と
計画の方向性を相談していきます。
写しと言いながら創作があちこちにちりばめられ、
ふむふむ、と謎解き気分で観察していきます。
昔の建物は今のようにどこでも均質というわけにはいかず、
建てる地域や材料一つ一つに丁寧な解釈をもって
この場所だからこその建て方をしているんだなと
写しだからこそ如実に見て取れます。
縁側で談笑するお施主さん
とても豊かな空間で、こんな風景が作れたらなと思います。
うえにし