以前ブログで紹介していた津山市の改修工事についてです。
重伝建地区というのは改修する意匠には根拠が必要になってきます。
前にも書きましたが、街が重伝建になりたてということもあり
手探り状態で方針を決めていきました。
街全体で修景をするという制度ではありますが
一つ一つの家に歴史があり、その歴史を古写真や痕跡から元の形を推定する。
一事が万事、それをずーっと繰り返して、やっと街が昔の姿を現すんですね
気が遠くなる道のりです。
こういった昔の姿から
材料などから流通事情や経済状況など
意匠には土地柄や流行だとか
装飾には世相や流行なんかの
多様な情報を読み取れるのです。
また仕上をはがしてみると柱の埋め木のあとや、ほぞ穴
そんな痕跡を見ても古い建物の知識によって読み取れる情報には雲泥の差があります。
そのあたりは熟練の大工さんや、役所の担当者、もちろん大角にも意見を聞いて
より確からしい推定を積み重ねるしかないようです。
まだまだ修行中の身、いろいろな意見を聞かないと解けない謎もたくさんありますが
痕跡の一つ一つが確かに何かを教えてくれます。
そんなこんなでやっと決まった方針に向かって、
絶賛工事中です!
屋根の上で棟梁、社長と打合せ
上空5mは風が強い…
着工はまだかと手ぐすねを引いていた棟梁が
がつがつ進めてくれています。
打合せ終わり、お昼どきということもあって
お客さんの行きつけのお店でうなぎをご馳走になりました!
のけぞるほど美味しかったです
うなぎで付けた精、だし尽くさないと…!
うえにし