あけましておめでとうございます。
大角設計室は今年も精一杯仕事をしていきます。
一つ一つの仕事を誠実にこなす傍らで
そのほんの一部分でも伝わればなと、
今年もブログを更新していきます。
o-sumi.hatenablog.com↑前回のブログです
茶室のある現場では
茶室の付属建物である「待合」を作っています。
これはお茶席の準備ができるまで待つ東屋のようなものなのですが、
茶室とは切っても切れない関係にあります。
そんなわけで茶室と同様に柱も梁もほとんど丸太で組み立てていきます。
丸太は製材をしていないので、
付け根(元)と枝葉の方(末)で太さが違ったり
メインの柱に“変木”という変わった丸太を使ったり
素材そのままがデザインになるので、いつも以上に慎重に木を選ぶ必要があります。
この木を選ぶ行為を「木取り」というんですが
大工さんや大角総出で打ち合わせをしました。
そこで活躍するのが「模型」です。
図面だけでもできなくはないのですが
視覚的に圧倒的に間違いが少なくなります。
「径が大きいと小口が柱からこぼれるな〜」とか
「背割りはこっちに向けようか」とか言いながら
元口、末口を1本1本測って
大事な柱の時には立ててみて素性をニラんであーだこーだ言って
コツコツ決めていきました。
棟梁は民家を作ることに関しては百戦錬磨ですが
数寄屋や茶室は多少作法が違うので
初めての仕事は慎重にきちんと段取りを組むのが肝要になります。
柱が決まれば今度は屋根板や垂木など製材したものを選んでいきます。
ここでは意匠的に綺麗に割り込めるようにかつ、材料がなるべく無駄が出ないように
幅の打ち合わせなどを行います。
柾目や板目を使い分けて適材適所で厚みや実などの加工の仕様も決めていきます。
綺麗な杉の柾目の板を入れていただきました。
ここの工程は木の伸び縮みや狂いを材料ごとに予想立てを行い、
立てた後にどんな動きをするのか、
工事のスタートダッシュの時から立てた先のこと、
時には立てた10年、20年後とかまで考えて
構造=意匠である木造ならではの工程です。
大変ですが結構楽しい部分でもあります。
これからこの木材がどんな建築を構成するのか
今から楽しみです。
うえにし