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茶の湯空間を作っています。
この住宅のメイン(?)となる小さな小さな茶室です。
しかし小さいと侮るなかれ、小さい中に膨大な情報量がぎゅっと詰まっています。
それを茶室専門の大工さんに作ってもらいます。
今回は茶室の柱についてです。
茶室は面皮丸太という外皮をとっただけの状態の材料をふんだんに使います。
ただし丸太なので、畳寄せと取り合う部分や、建具を引き込む部分などは
真っ直ぐに削る必要が出てくるのですが、
この”面”をつける工程が茶室ではとっても重要なんです。
杉の面皮丸太はおとなしく、つるんとした材料なのですが、
面をつけることでグッと表情が豊かになります。
上から下までつけることもあれば、目線の高さ程度で止めたり、
柱ごとのヒエラルキーや茶室自体のコンセプト等で調整します。
しかし調整といっても相手は丸太です。
それぞれ素性が違いますし、当然下は太くて上は細いわけですが、
大工さんは、柱を選んだり、ほんの少しだけ傾けたりして面の高さを調整していきます。
そうすることで柱の芯は微妙にずれていきます。
柱の足元と上に芯を書き込んだ板を付けて、
それを頼りにコツコツ加工していきます
数寄屋大工といえば丸太どうしの接ぎ手なんかがイメージとしては先行しますが、
実はそれより、こういった柱取りの工程が難しく、腕の見せ所なんだそう。
茶をしばくのが楽しみです!
うえにし