某建築史家を彷彿とさせる見出しですが、、
民家にかけてはこちらの探偵も負けてはいません
少し前に事務所総出で文化財級の民家の実測に行きました。
その土地の大庄屋だった家で、文化財登録を目指して平面図を起こせるように
くまなく調査してきました。
この家が大きいのなんの
さらには昔の建物なので多少の歪みや増築などで
めちゃんこ難解な寸法体系をしていたりするんです。
柱間の寸法を測って、柱の径測って、、、あ、柱の芯振られてた、、、柱間の寸法修正して、、、
みたいなことを永遠繰り返して
方眼紙にセコセコメモしていきます。
にゃんこ < テメーミネー顔ダナ!
とガン飛ばされ
土間などで小屋組が見えると
(組み方カッケーなー)
とか思いつつ
その組み方を断面図におこしていきます。
事務所に戻ってメモを見ながら
板間は990モジュールだなぁ、、、あ、畳の間は950モジュールなのか、、、
どこで調整してあるのかなー、、、ふむふむ
柱が変なところにいるなー、、、梁が上にあるのかー
この通りは柱が細いなー、、、本構造は内側の通りなのかー
仕上げが漆喰だから仕上げ厚を考えると柱芯はこの辺だなー
おや、ここから向こうは増築っぽいぞ
みたいな無数の変数をメモや写真から読み取って図面化していきます。
この作業がパズルを解いているようで
さながら名探偵気分です。
そして毎回思うのが
昔の建物って
モジュールの切り替えや柱の芯振りとかで
めちゃくちゃ自由に変化させていくんです。
最近の工業的合理性の縛りなんか無いので
畳の間は畳の目を守った寸法にしたり
その分縁側はモジュールより広めにして広々した空間にしたり
この家を作った棟梁はとってもアイデアマンだったに違いない。
でもそんな秘密を知れるのは実測して、図面を書き起こした人間だけの特権なんです。
うえにし