大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

勘所と独創と

前回記事のおさらいしたい方は

以下のリンク「分節」をご覧ください。

 

 

 

 

f:id:o-sumi:20210208112848j:plain

 

大角事務所で何年も物件を担当してくると

工事現場の監理においてや、施主とのヒアリングにおいて、

はたまた、デザインを決定する上で

「ここは大事だな」とか「この優先順位はこうすればいいな」だとか

「ここはこの色、この太さ、高さ、素材などのデザイン」それぞれの決定だとかを

自然とできるようになってきます。

 

俗に言う「勘所」というやつでしょうか。

 

言い換えると「ここを外さなければ大丈夫」という範囲ですね。

野球に例えるなら「ストライクゾーン」にちゃんと投げ込めれるかどうかという

ことですね。

 

 

f:id:o-sumi:20210208113101j:plain

 

ですがあまりにも「勘所」を知りすぎると

「マンネリ」や「ユルミ」にもつながります。

そのため、多くの勘所は図面で確認して、

「最終決定は現場で」フレッシュな状態で

ゼロから決定するようにしています。

 

 

一般的な話になりますが

メディアで喧しい有名デザイナーは

だいたいにおいて、この「勘所」をワザと外したデザインを行います。

よく言う「常識を疑え」的な思考法ですね。

そういう方々は軽々しく「今までにないモノを作る」と言いますが

実態は言葉面新しい風味のするだけのものが多い気がします。

 

常識を疑うのは大切な一方、常識にも大切なものはいっぱいあります。

この「常識を疑う」という考えは「非常識になれ」と同義に捉えられがちですが

本当は「本質をゼロから捉え直す」という解釈なんでしょうね。

 

 

f:id:o-sumi:20210208114701j:plain

 

そういうわけですから、個人として好きなのは

この「勘所」を突き詰めてもはや「独創」と呼べる「ストライクゾーン」を

追求していく手法です。

 

そんなことを東北出張の時によく食べるお饅頭、

玉澤総本店の黒糖饅頭は教えてくれます。

 

 

f:id:o-sumi:20210208115449j:plain


賞味期限ラベルを見ると

「製造日時(4日7時)から期限が(7日7時)」

そう驚くなかれこのお饅頭、お土産的意味合いが強いのに

「たった3日!」なのです。

 

このストライクゾーンの狭っさ!

 

でもその狭めた勘所はもはや他に真似できないレベル。

 

この饅頭の勘所を味わいたければ

仙台駅の開店9時にゲットして、そのまま食べることを激しくオススメします!

 

 

 

・・・これ建築のブログですからね。

 

 

 

ゆあさ

 

このブログ記事「倉敷の町屋(倉敷市)」のつづきは

以下のリンク「庭の面白み」をご覧ください。