大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

幻想を煽ラズ

寒波に継ぐ寒波。

それでも時にお天道様がのぞけば

「今日さ。あったけぇなや」とゆったりと
そしてたっぷりと呼吸をととのえた職人たちが
普段通り、黙々と作業に努めてくれています。


陸奥の風景は、雪に反射した光が地面から降り注ぎ
何とも言えぬ幻想的な景色で目をうばわれます。





工事現場には、地方ごとに少しずつ流れている空気感が違います。
岡山県の温暖な気候で育った僕としては
特に、東北のしばれる寒さが際立って身にしみているのですが

その風土から生まれる建築に深く関心があります。

一般的にその地方の特徴は?と聞かれると
その目に見える「形」
もしくは、耳障りの良い「言葉」によって、
地方が説明されます。

例えばこの現場の場合で言えば、雪国によくある
鉄板屋根を現代風にデザインしているところとか、
非開放的な縁側である雪囲いという形式を採用しているとか
そういったデザインのことを指します。
それらを言葉にしてしまうと
「昔の家づくりの知恵を現代風にアレンジする」ということになるでしょう。

地方の特色の表層をとらえ「コレデス」と表現することは
そんなにむつかしいことではありません。


しかし、
地方の特色の本質を「これです」と鮮やかにデザインする事は
とても難しく、出来もしないのにチャレンジしようものなら世の中にとって、
地方の本質を見えなくするハタ迷惑なこともありえます。

なぜなら、特色には二種類あるように思えてならないからです。

一つは「形、言葉」に現れるもの。
二つは「見えない」特色。

どちらかと言えば、特色の本質はこの二つ目「見えない」方ではないかと
東北の人や、建築と出会ううちに感じています。

やっかいな「見えない特色」を理解することなく
表層の言葉に誘われ、本質に対して盲目になる危険があるのではないでしょうか。




ときに家づくりは、
特にこういったパソコンや雑誌、広告といったメディアにして
人に伝えるとき、きまって視聴者の幻想を煽るようなキャッチコピーや
美辞麗句を囃し立てます。

僕も気を付けたいと思っているのですが
目に見えるメディアで、
目に見えないものを伝える難しさを感じています。


淡々と
ただ、淡々と
切実さや、事実を述べるだけで
圧倒的な力となる、見えない素晴らしさを
東北の古民家や景色、職人の方々から感じています。

でも、なんどかブログで申し上げておりますが
この「見えないもの」こそが、地方の建築家である
大角設計室のほんとうに表現したいものなのです。

そのデザインの背景が、大きな広がりを持っているとき
はじめて、時を超えうる建物になるのだと思っています。




圧倒的な美しさに
跪くことの多い建築武者修行地方巡業編。

先人がつくり、残し、伝えてくれるメッセージは
軽々と、理屈や、時代、国境を乗り越えて僕たちに
淡々と無言で語り掛けます。


できるっちゃわ。
がんばらいん
いーいえ、こさえてけさいん



たんたんどうめごだ。
仙台味噌の味噌汁と焼味噌おむすび。


こーいうのをつくりたいんだっちゃ。

こころの奥深くへ__すーっと染み込むやづ。




ゆあさ



                                                                                                                      • -

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