倉敷の町家の写真撮影に行ってきました。
すこし落ち着いた風格が出てきている様子。
完成直後から半年くらいが経過しているので、
設計監理していた頃とはちがい、親元を離れた我が子に会いに来た感覚です。
この家の特徴と、設計者の意図、住まい手のライフスタイル、要望などを
メモにまとめて、事前に撮影を依頼しているカメラマンとうちあわせをしています。
カメラマンは限られた時間の中で、太陽の動き、隣接しているビルの影のうごき、
建物の特徴を表現できるワンカットを現地で見つけ出さないといけないので
いつもプレッシャーを感じています。(それを楽しんでいるフシもありますが…)
そんな私達撮影者サイドの杞憂はどこ吹く風で
気持ちよさそうに玄関ホールの空間が、私たちを迎えてくれました。
住まい手が、空間の絶妙な位置をみつけて
ちょっと面白い鳥の置物を飾ってくれている様子などに気づくと
「ああ、ここでの生活を楽しんでくれているんだナァ」と
しみじみ嬉しくなります。
露(路)地です。
外に開きすぎず、閉じすぎない生活のありかたを
住まい手の希望に応える形で実現できました。
どんな写真に仕上がるか楽しみです。
リンゴや、ゆず、バナナ、柿など果樹が新しく植えてあり
この露地を歩く人たちにとって、とびきり楽しそうな将来像が見えました。
みんなで集まる空間にも、椅子や、植物、家電などが少しづつ増えて
空間に彩を添えてくれています。
設計者によっては、建築写真に人影や住まい手の物
いわゆる「生活感」を好まない人もいますが
大角設計室の建物はむしろその逆で
住ま手の個性と溶け合った空間を写真に収めたいと思っています。
「民家をベース」に建築を考えていますので
「骨太でおおらかな住まい」は大概の暮らしを彩る
美しい背景になります。
人が暮らす背景に
美しい家が数多く増えるといいなと思っています。
ゆあさ