東北の現場に通ってそろそろ8年くらいでしょうか。
ありがたいことに、一つの現場が完成したら、
その現場を見ていただいた別の方が、次、次と仕事を繋げてくださいました。
そんなこんなで、現在東北では工事中が一件。
着工開始が一件。
設計途中が一件。
計画途中が一件。
これから企画立案するものが一件と
まだまだ東北との繋がりが続きそうです。
新しい現場がもうすぐ始まりそうです。
敷地配置の最終検討に現場に来ています。
この現場は近くに電車が通っており、車窓からどう見えるか
いつか電車に乗って確認しようと楽しみにしています。
こうして東北に長いこと通っていることを機会に
空いているわずかな時間を狙って
様々な東北の民家を見てきました。
ひろい陸奥の隅々には
まだ見たこともないような美しさがたくさんあって
岡山県育ちの温暖な気候で育った自分にとって
とてつもなく刺激的です。
設計の意匠的思考や
民家を設計する上での心構えなど
いろいろな面で、現代の感覚だけでは到達できない
「透明な厚み」や「静かな深み」が研ぎ澄まされます。
それにしても、東北はほんとうに美しさであふれています。
古事記にでてくる、
「倭は 国の真秀ろば(まほろば) 畳なづく 青垣 山籠れる 倭し麗し」
まさに、そのもののシーンをこの現代でも、見て感じることが出来ます。
そういった物を、称賛する言葉は、やはり御国訛りがふさわしいですね。
方言は言葉の足裏に温度がこもっています。
形式的なただのコトバではなく、体温の感じられる素敵な形です。
住宅もまた、単なるデザインや、単なる機能を超えることが出来るでしょうか。
歩を進めるたびに、足裏から体の芯までじんわりと熱が昇り伝わる、
そんな東北の民家のような、熱のこもった風景を創れるといいなと思っています。
ゆあさ