棟上げに向けて宮城県の若夫婦家族のためのプロジェクトが動いています。
建物を建てる場合、工事は二手にわかれてすすみます。
一つは宅地で行われる「基礎工事」。
コンクリートで建物を支える、家の一番下の構造体をつくる作業ですね。
そして二つ目は「刻み(キザミ)」とよばれる
工務店の工場で行われる木造の骨組み部分の加工作業です。
今日はそのキザミ作業の中でも「丸太を刻む」ことについてフォーカスします。
一枚目の写真の赤いラインが入っている箇所が
丸太を使う箇所を表しています。
「ゆあさくん。どの丸太にすっかわ?
ちょっとひっくりかえしてみっから。いいやつ、選んでよ。」
棟梁と二人で丸太の候補を一本一本見て、
この丸太はメインでつかう。とか、組む順番。向きなどを決定していきます。
丸太をせっかぐ使うのだから美しく使いたいので
一本一本の吟味は地味な作業ですが、何気にセンスが問われる時間です。
ながーいい丸太を今回も特別に準備してもらっています。
空間の背骨となる大事な部材です。
丸太が家を支え、なおかつ、使ってよかった、と思える美しい骨組みになるためには
もう一つ大事な下処理があると大角設計室は思っています。
それは「面取り」です。
木は当たり前ですが、削る前は「皮」がついています。
さらに当たり前のことをいうと直径は「丸い」幹です。
そのままだと、木くずが落ちてきたり、
虫が気易かったり、加工するときに大変などの様々な理由から
皮を剥いだり、丸太を削って角材にするなどの処置を施して
「原木」から「製材」になります。
この丸太の下処理に、各設計事務所の好みや、大工さんのクセなどが
色濃く表れるわけですが、今回も大角設計室好みの形に調整してもらいました。
そんなプロセスを想像しながら、
屋根を支える梁丸太を眺めてみるのは如何でしょうか。
ひょっとしたら、設計事務所がデザインした爪痕が丸太の陰影に隠されているかもしれません。
ゆあさ