地方創生が全国で叫ばれ久しいですが、
どこか一歩引いたスタンスで見てしまいます。
なぜ、そう感じるのかなと改めて、考えてみますと
田舎は都会が思う程、
そんなにみすぼらしい場所ではありませんし
また、そんなにすばらしい場所でもありません。
田舎のすばらしさは、「身の丈に合った」ライフスタイルなんですね。
噛み砕いていうと、良くも悪くもありません。
生活者にとってみれば、それは「あたりまえ」の環境です。
快適、便利とはちがう、「適度」という幸福の尺度こそが
田舎に流れている時間ではないでしょうか。
地方創生のスタンスはそういった田舎のスタイルとは
相容れないものがほとんどです。
「○○町の特産は▲▲だがら、素晴らしいので全国へアピール!」
みたいな「外向き」目線のものが多くて
結局田舎の生活者目線とは違うんですよね。
そういった事をモヤモヤかんがえている時に
京都の小さな町で、地方創生事業の提案を出来る機会があり
行ってきました。
私達の提案は、ちいさなまちに相応しい「身の丈にあう」地方のまちづくりです。
写真の風景はどこにでもありますが、私達は小さな小屋や温室等に注目し
4・5人が集まれる程度のちいさなスペースをゆっくりなおしてゆく提案をしました。
地方の一設計者がまちづくりを手伝うことは
結構難しく感じていましたが、
こういった、「手の届く範囲」での町づくりの提案は、
本当に持続可能な田舎を創るうえで、地方の設計者以外には適任者はいないのでは無いでしょうか。
民家には「身の丈」から派生する美しさの価値に溢れていますが
その「みえづらいかたち」では、田舎の人、都会の人ともに魅力には気づけません。
一設計者ですが、写真には写らない美しさを、ただのデザイン遊びではない
本質的な民家として世に生み出し、且つ、伝えていく責任を感じた一日でした。
いつか、民家の美しさにあふれた、町をつくっていきたいですね。
ゆあさ