この柱になる木は現在加工中なのですが、斜めにカドが落ちてる所に注目ください。
右と左で仕上げが異なります。
古典落語のなかに「牛ほめ」ならぬ「家ほめ」なるものがあるそうです。
与太郎がお小遣い欲しさに家のいい所を見つけ
「畳は備後の五分縁で・・・」と練習してお宅訪問をする、というお話。
昨今は木の家の善し悪しを見極める文化がだんだん失われているような気がします。
お客が職人を育て、職人はお客・設計者の要求に全身全霊で応える。
「家ほめ」は下衆な成金趣味ではなくて、
賞賛される技に畏敬の念を表す行為だったのかも知れません。
ほめ=愛。
現代版だと「エコキュート」「省エネ」「システムキッチン」などでせうか。
もう少し、家づくりに関わった人・物の「肌触りや」「息吹」が感じられるものに
目を向けることができれば、家はもっと楽しいものになるかも知れません。
写真の木はこうほめてみませう。
「いやぁ〜、これは桜の五寸角の柱。面取りはチョウナ仕上げですかぁ」(渡辺篤史たてもの探訪風に♪)
ゆあさ