大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

もーけい

模型が出来ると一気に打合せが楽しみになります。
CG(コンピュータグラフィック)全盛の時代にイマサラ模型なんて・・・って思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
CGと模型には決定的な違いがあり、その違いを意識した上で
作成してプレゼンツールとしてつかうことは有効ではないかと思います。



CGと模型。何が決定的に違うかというと。
「リアルさ*(本物っぽいかどうか)」だと考えます。
CGはコンピュータの性能が向上した為に際限なく
リアルな映像表現が可能になってきました。
それ故に、良い面をあげるならば
ものすごくわかりやすい。ということ。

なぜ分かりやすいのかというと
じっくり眺めなくても、情報が分かりやすいように
二次元情報として整理されているためです。

例えば、陰影や質感、色彩などが本物にちかく表現されています。
ただし、この本物に「ちかい」表現だということを忘れてはいけません。
決して本物「ではない」表現上のものなのですが、
「全部わかったような気」がしてしまします。

つまり思考が停止しやすいツールなんですね。
この通りできると勘違いしてしまいやすいのです。

設計者はそのことを踏まえていますから、あくまで二次元のCGを
最終的な三次元空間に落とし込むことが出来ます。


一方模型はどうでしょうか。
どんな精巧につくられた模型だとしても
「本物」ではないということは、無意識に誰の目にも明らかです。

しかしながら、いい模型は実現しようとしている
「空間の質」を垣間見せてくれる有意義なツールです。

そして、二次元情報*(平面的)
ではなく、三次元情報(立体的)ですから
頭の中で整理しきれない複雑な情報が、文字通り手に取ってわかります。

CGに比べ圧倒的に正確に伝わり辛い点も多々ありますが、
「おおよそ」の情報を伝えるには適していると思います。

故に、模型を覗き込めば、足りない情報を補おうと
イメージを膨らますこと必至です。


ゆえにイメージを膨らます為に
模型をつくることが役に立つこともしばしばです。
住宅の模型から、家具の模型、門の模型。図書館の模型などなど。
今回掲載された模型は、今まだ計画中のモノたちです。
工事に入る前にこうした作業は繰り返され、最終案として練り上げられます。



おぼろげに考え続けることは時に必要なのだと思います。
キッチリしないといけないときはまた違う方法でスタディーを続けています。





ゆあさ