丁度一年前ぐらいでしょうか、仙台の現場監理にいくついでに
東北地方の民家や風景をいろいろ見てきました。
建物そのものも勿論見るのですが、建物そのものよりも
ちょっとした地域色が現れやすい部分が門や塀です。
門や塀は社会的な制度の要求によって出来ていることが多く
その地方の歴史的背景も見えかくれします。
そうこうして全国津々浦々の門構えを実測や写真記録に納めています。
南は沖縄や鹿児島の門構えを見ているだけに
東北地方の門構えの違いが如何に違うかを比較しやすく
新鮮な驚きがあります。
そうしてできあがった特異な形は、その地方の美意識も教えてくれています。
そんな中、すこし長い塀と立派な門の再生工事の設計を行いました。
やはりこの地方独特の構成で、自分の頭の引出しにある
かつて見た民家のイメージが膨らみます。
以前見た時にこの地方の門のキモはこういうことではないかなと
なんとなく思っていることがあるので設計図に反映します。
既存の塀や門と対話して、どのような思いでこの住まい手が
引き継ぎ、再生しようとするのかを図面が代弁出来るといいなと思っています。
現在設計を終えて見積を待っている状態です。
ゆあさ