大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

生け捕り

[ピクチャーウインドウ]


建築家がつくる家には時に、印象的な窓がよく設置されています。
そのなかでも窓枠を額縁に見立て、
外の景色を絵画のように楽しめる窓のことを「ピクチャーウインドウ」といいます。




再生前はあまり使用されておらず、
暗かった縁側部分ですが・・・・・・





再生された縁側部分です。
列柱越しに見えるみかんの木は、実は隣地の方の畑です。
縁側空間を少し広くし、ゆったりとした雰囲気に甦りました。
敷地むこうの隣地住人のかたが手入れをされている畑の風景を生け捕りにしました。



[設計の射程範囲]


建築の設計は、建物の中だけ・敷地の中だけで考えると上手くいきません。
外部環境が豊かな田舎では、なおさら美しい風景を生け捕りにしてしまうのは
地方の建築が豊かになる一つのアイデアではないでしょうか。


日本で古来より「借景」と呼ばれている概念につながります。

家の中に花鳥風月をどんどん取り入れていける家であるかどうかが
これからの時代の「豊かさの価値観」の判断基準に相応しいと思います。
そういった豊かさの家や、豊かな感性の住まい手が増えることを楽しみにしています。


ゆあさ