このブログ前回のおさらい→改修工事を始める前にへ
古民家をなおしております。
古民家は、新築と違い長い間生活されてきたものですから
ライフスタイルの変化によって必要に応じた改修が
住まい手によりチョコちょこ繰り返されたものがほとんどです。
解体工事にともない、壁や天井板をはがすと
そういった爪痕が見て取れます。
写真で言えば、左の黒い木材が元々の
オリジナルの民家ままの構造体。柱を挟んで右側の木なりの角材が
前回の改修時に入れられた新材です。
その場その場でテキトーに入れられた材は、
再生工事において悩みの種です。
なぜならその場しのぎで入れられたものは、概して美しくありません。
再生工事は、合気道のようなもので、
既存の迫力ある古民家の力を、活かしながら
自分の技(設計)を決め、美しい空間をつくりあげます。
あくまで、既存の魅力(古民家の力)を活用することが、重要です。
既存の空間と脈絡無く材を入れてしまうと
別の設計者によってなおされる時に
「なんだこのヘンテコな材」と思われ兼ねません。
古民家をなおす事はつくづく、時を超えて
社会的な責任を負う事なのかも知れないなぁと
感じた一日でした。
現場の寒さが、厳しくなってきました。
その分、黄昏が澄きとおって綺麗です。
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ゆあさ