大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

古材買い取り

最近問い合わせがよくあるのですが、
古材を売れば、幾らくらいになるでしょうか?という内容のもの。

古い材料を買い取ってくれる業者が数あるようですが
経験的に、見積をしてもらうと、そういった時に発生する古材の解体手間というものが
結構お高くつくことがままあります。
そうすると、古材はほとんどタダ同然で引き取られてしまうことの方が
多いように思います。




しかもそういった解体ケースでは、取り易い場所のみを剥ぎ取るため
古材がどうしても小さくなってしまったり、別の用途に変更して使わないと
いけないことがほとんどです。



写真は大角設計室での再生工事の解体時写真です。
床板が幅広いので再利用しようと考えているのですが、
古い釘を抜いたり、汚れを確認したり、板の裏にある反り止めをチェックしたり
かなり手間がかかります。
古材は確かに価値があるものが多いですが、ただ単純につかうだけでは
時には古臭さや汚さが目立ってしまいます。デザインの処理もかなり厄介な代物なのです。


古い材料を使うということは、同時に新材では必要の無い大量の手間が発生する可能性があるという事です。
しかしながら、新材では得られないこういった人々の手仕事の集積である古材には
温もりというか、えもいわれぬ魅力があります。
古い民家に住んでおられる方は、再生するか新築するかどうかで悩まれることが多いと思いますが
再生する選択を選べる状況にあるなら、
ダイヤモンドの原石に住んでおられるといっても過言では無いかもしれません。
住んでおられる方だけの特権ですから。うらやましいです。



ゆあさ