大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

ファーストプラン

とある計画案の模型。
大角設計室では、小さな模型から大きな模型
コンセプト重視の模型等、さまざまなタイプの模型をつくります。




施主の方にお見せする第一回目の模型には
建築家の想いが詰まっています。

施主の方へ模型を作る理由は「基本的」には
使い勝手がどうであるとかいう空間検討を共有しやすい為にする訳ですが
それは模型における意味合いの側面に過ぎません。

建築家は実用的な面だけでなく
「コンセプト」とよばれる一軒一軒の根幹を成す考えが
この家に相応しいかどうか、また
そのコンセプトが豊かさを生むだろうかと
模型を四方八方ジロジロ眺めながら黙って見ています。





図面を描く→模型を作る→打合せをする→また図面を描く・・・・を繰り返します。
そうして段々案を抽象的なものから
実用的な物へとレベルアップしていく訳ですが、
図面化する時に、あるいは工事を進めるにつれて
何故か、案がこじんまりまとまりすぎて、
「住みやすいけど、つまらない」感じに陥りやすくなります。

それは何故か。

先ほど建築家の家には「コンセプト」というものがある。と言いました。
コンセプトとは、家を身体に喩えるなら
「背骨」のようなモノです。
家の骨格は「背骨」がしっかりしていることが大切です。


施主からの要求や、敷地条件、法律等に適応させる為に
小手先のテクニックで設計してしまうと、
体の中にバランス悪く筋肉や贅肉がついてしまいます。
その肥大した部位は骨を溶かし、背骨を偏った荷重で曲げ・歪めてしまいかねません。
いい家を作る事よりも、図面をまとめる事に必死になってしまう訳ですね。
設計者が頑張れば頑張る程陥りやすい状態です。

時折、第一回目の模型を眺めなおす事によって
忘れていた、この住宅の「背骨」は何なのかを思い出し
初心に戻ることで計画案が輝きはじめます。




はてさて、どのようにまとめる事が最善なのか。
模型を作ってはなおしの繰り返しが続きます。

ちなみに僕は猫背です。
先ずはそちらをなおすべきなのでしょうが・・・

なかなか。ね。




ゆあさ