大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

階上から

ちょっと前までこの家の二階には人は住んでいませんでした。
ただの小屋裏であり、埃っぽく暗い闇が支配する空間でした。

古い家をなおす時に、
玉手箱のように、あけてはならぬ恐いもの見たさに
ワクワクしながら小屋裏の天井を落とし、
一閃の光を闇に射しこみます。


それは、時がとまったままの空間が再びチクタクと
動き出す瞬間であり、ひとときの煌めく瞬間です。
想いのつまった古民家が再び外気に触れ
深呼吸し、どっくり、どっくりと鼓動が聞こえるようです。

ちょうど、二階での生活を支える為に
構造補強の床梁が入れられており、煤けた古材の黒と
瑞々しい木地の色彩のコントラストが、先ほどの煌めきに
一役買っています。


現在は、新しく設える階段の打合せを終え、製作中です。



ゆあさ