大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

赤い橋


凍てつく寒空の中、現場がはじまっています。
仙台に通いはじめて、4年程になりますが、
岡山人のぼくには、しばれる季節です。



赤い橋を渡ると、その現場はあります。
なんか「赤い」ご縁で結んでいただいた仕事みたいで
風景を楽しみつつ歩を進めます。



写真を撮った時期は紅葉がもう終わりかけた時期でした。
岡山と宮城県は1ヶ月程も、紅葉シーズンが違います。
それくらい寒いんですね。





かなり、大型の民家です。
図面を描いてみて、あまりのでかさにワクワクします。

一部吹抜けがあるのですが、
あまりに天井が大きすぎて、
写真では写らない美しさがあるタイプの空間になりそうです。


大角設計室があつかう美しさの本質はまさにここにあるのですが
再生工事の場合は、
この民家がもともと持っていた「そのものの魅力」に
のみこまれやすいので、注意が必要です。

その恐怖と危険性を深い闇の小屋裏空間は教えてくれるような気がします。


自分でデザインしているつもりが
じつは「そのものの魅力」のおかげで、良い感じの空間に見えただけ
なーんてこともおこりやすいワケです。


もしくは、自分が加えたデザインが「そのものの魅力」の
足を引っ張ることもありえます。





そこまで古いという建物ではありませんが
小屋裏には、それ相応の埃が堆積しており
この民家の歴史を感じさせます。


民家をなおすという事は
橋を架け渡すことのように
ここまでの風景と、これから先の風景を結ぶことです。


でも
本当に大切なのことは、結んだ先に
さらにいつの日か
赤いご縁で結ばれた様々なストーリーがこの場所で結実すること。



うまみ広がる、素朴なあじわい。


そんな建築にしたいですね。





ゆあさ