大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

玄関が吹き抜ける

京都の現場です。

足場が邪魔でわかりにくいのですが、
吹抜け越しに天井・小屋組を見ています。



玄関を入ると吹抜けがあります。
上部には既存の黒光りする構造材と
新たに設けられた竹。
そしてその竹のスキマから光がおちてくるようになっています。



玄関+吹き抜け+小屋組
このような構成は民家によく見られます。

おおらかな雰囲気に、古材のザックリとした質感が
よくあっていて、新たに設けられた天窓が効いています。

昔は玄関土間と炊事場である窯場がつながっていた為
煙抜きとして吹抜けがあり、
屋根にも排煙出来るようにスキマが設けられていました。
今回はその構成を現代の要素にアレンジしたものと言えます。

何もかも古いままでなくても、
過去の知恵を継承し発展していく事が
現代を生きる建築家の仕事なのだと思います。

逆に何もかも新しいという概念は
民家について知れば知る程、存在しないのではないかと感じます。
それぐらい民家ではさまざまな試みがなされており
それらの試みは現代でも充分アレンジ可能な程
先鋭的なものが多くあります。

偉大なる先人達に耳を傾ける
謙虚になる姿勢が、
更なる新しい民家をつくるのではないでしょうか。


ゆあさ