建築家三人展「家型を考える」(岡山市さん太ホール)が無事に終了しました。
今まで開催した展覧会に何度か来ていただいた方には
今回は少し雰囲気が変わっていたと感じた方も多かったようです。
一番変化したのは、立体物を作った事です。
展示空間に合わせて作成しました。
次回からもアレンジを加えながら、設置していきたいと考えています。
もし、来場いただけなかった方はまたの機会にご覧いただけると思います。
特に難しかった「家型」という言葉ですが
簡単に説明しますと、「単なる形態の話ではありません。」
建築家が家をつくると一般的イメージでは「変なカタチの家」を作る人。となりがちですが
大角設計室のスタンスは少し違います。
一般的イメージ「変なカタチの家」を作る人の発想のベースは「その人そのもの」。
簡単にいうと自分勝手に作っちゃいます。
大角設計室の発想のベースは「民家」。です。自分勝手な発想だけではなくて
あくまで創造のベースは時代を生き残ってきた「民家」です。
では民家とは何か?
有名な言葉があります。
「民家はきのこである。」
つまり、ある条件がそろうと自然発生的に、適した場所に適した種類が
適したカタチではえ出て来る。
そう言った、その土地の養分を吸い上げたものが
その土地に「相応しいカタチ」として現れる。それが「民家」です。
そうした民家がもっているカタチこそ「家型」です。
雨が多い地方では屋根や庇が特異な形になります。
雪が積もる地方では柱が太くなり、屋根も急勾配になります。
風が強い土地では、風を遮る工夫がしてあります。
炊事場を伴う民家では煙が抜けるような工夫が屋根に見て取れます。
単なるカタチ遊びから出来るものでは決してなく
自然な理由がその背後に潜むカタチ。
「家型」を考えた建築家の思考は
その家のカタチを見る事で、あたたかく見えてきます。
その土地の風土や、そこに住む人の生活感などです。
ですが、そこの視点が欠け落ちた家並みが多すぎるのではないかといった
思いは、一般の人達も感じておられるのでないでしょうか。
土地にも、生活者のことも無視して
みんな条件は一緒だと言わんばかりの画一的な町並みをみなさんは
どうご覧になっているのでしょうか。
個人的には、「建築目安箱」に
来場者が展覧会についての感想や、各自の家についての想いを
記入していただき、本当に嬉しかったです。
家づくりについて、町並みについて、
その場所だからこそ、その人だからこその意見を
ふと立ち止まって、みなさんと考えてみる良い機会になりました。
家型のポストイットに描いていただいたので
会期終了後並べてみると、十人十色の家型ポストイットの集落が出来ました。
この風景こそが、今回一番見たかった光景かも知れません。
それぞれの価値観が、その場所と調和しながら一体的な家型となって現れる。
そんなことを、抽象的にあらわしていたのが、
少しづつ色が変化した、薄布が家型のレイヤーとして表現された
今回の展示空間だったのかも知れません。
そんななか、高知にいってきました。
四国はまだ大角設計室は設計監理した物件が少ない場所ですが
これからどんどんチャレンジして行きたいですね。
少し街中を散策。
家型を考えていると、実はこんなバラック小屋をみても
その土地の風土からくる、独特のカタチが見えてきます。
実に高知らしい家型が並ぶ風景です。
先ほどから見ている、なんて事ない風景も
実はその土地の特性を吸い上げた「家型」であることがままあります。
それを気づけるかどうかは、設計者の腕の見せ所です。
写真の民家から、「高知」の家型が見えてくるでしょうか?
出張から事務所に帰ると
テーブルの上へ無造作に新しいプロジェクトの模型が並べてありました。
家型を考えることは、まだまだ続きそうです。
ゆあさ
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