大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

私の建築の種

 

ゴールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしだったでしょうか。

 

大角設計室は、全国各地で仕事を得る機会に恵まれていますから

各地で土地土地の出会う風景を楽しんでいます。

 

今回の連休のような機会に、いつもと違う環境に身を置いて

改めて、今自分が創っている建築について考えたりもしています。

 

今回の連休に行きました

私達の地元岡山県となり。香川県の民家を紹介します。

 

 

 

 

砂糖しめ小屋です。

 

まんまるいとんがり帽子の屋根がついた

かわいらしい民家です。

 

今から20年くらい前に初めて見た時は

その独創的なカタチに、ちむどんどんしました。

 

 

久しぶりにこの場所を訪れて

確認したいことがありました。

 

実は、大角設計室で創った建物に私が担当した「おかやま山陽高校記念館」があり、

この砂糖しめ小屋をあたまの記憶の片隅に置きながらデザインしました。

 

日本の芸事で良く使われる言葉では「本歌取り」というものがあります。

本歌である「砂糖しめ小屋」を「おかやま山陽高校記念館」に

どのように取り込めたかの再確認に訪れました。

 

 

 

実際の設計監理した建物です。

屋根のシルエットは、本歌よりややゆったりとしています。

 

 

 

本歌の内部です。

砂糖しめ小屋とは、サトウキビを絞るための小屋です。

建物中央に圧搾機があり、

その動力は牛と人間がぐるぐるとハンドルを廻し歩くことによります。

 

その為に、建物は無駄なく円形の平面形になっているんですね。

 

他にもさまざまなこの建物の素敵なデザインを

私たちなりに反芻デザインして「おかやま山陽高校記念館」は出来ています。

 

 

久しぶりに訪れて、本歌取りの再確認ができて、感動しました。

通常、古民家という「時間が染み込んだ」デザインに挑むとき

新築の建築は、なんだかツルピカで物足りない気味になりがちですが、

おかやま山陽高校記念館」はしっかりと民家の種が根を生やし、発芽していました。

 

うーん。久しぶりにみるといいですね。

 

 

詳しくは以下の過去ブログのリンクをご覧ください。

 

ゆあさ