大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

カイコウイチバン

前回までのおさらい
o-sumi.hatenablog.com



今日は何の日でしょうか?


開口一番何をいうのかと思った方も多い筈。
それとも、いやいや、あの日でしょ?と即答の方も多い筈。




そうです。




ペリー上陸記念日ですね。




ご存知ペリー艦隊の黒船が
日本に来て開港を迫った日ですよね。




入港した浦賀とともに、最初にカイコウしたのが、
静岡県の「下田」です。


開港一番は「下田」なんです。




静岡の施主は下田出身なので
なんとなく、施主のバックグラウンドを理解する必要があります。




そんなわけで
さっそく下田に行ってきました。






とりあえず海を眺めます。



・・・・・ざざーん。



きっとあのあたりに黒船が来たんだナァ。と、しみじみ。





開港を迫られそうな感じがします。







もともと、下田は風待ちの港町として昔から要所でした。
現場にきてみると分かるのですが、
やはり港町らしく、台風に備えた民家の造りが見られます。





ナマコ壁と言われる漆喰と貼瓦のチェック柄のコンビネーションが
これでもかというほど、入念にスキマなく施工されています。


こういう独特の意匠は港町や台風被害のある町並みに良く見られますが
よくよく見ると、場所場所で微妙に違います。


その一見変哲も無い風景をいかに解きほぐして
現代の民家に取り入れられるかが
これからの地方の建築家の役割では無いでしょうか。



執念を感じるこのナマコ壁に対峙すると
先人たちの自然に対する祈るような眼差しを
ヒシヒシと感じる事が出来ます。

建築は本来こんな人間活動の根源的なものだったのだなと
改めて気づかされます。




下田は「テングサ」でも有名です。
自然の脅威に耐え忍びながらも、同時に
自然の豊かな恵に感謝してきた風土。

そんななかから立ち上がる民家のカタチは
とても示唆に富んだものとなっています。

このテングサのように、澄みきった味わいで
うっかりすると気づかないようなさりげなさで
現代の私達に語りかけてくれています。



ゆあさ


■このブログ記事のつづき
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