大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

形は敷地が教えてくれる。


はじめてこの敷地を訪れたのは、少し暑い日でした。


初めて訪れる場所。
にもかかわらず、


この場所に相応しい住宅を設計するって
考えてみたら、普通できっこない神業ですが
設計を長く続けていると
敷地に対峙した瞬間、

「こんな感じの家が良いかナァ」

と、ぼんやーりイメージが浮かんできます。





それは経験が大きくものをいうのですが

「なんとなく」家のイメージが出来るものです。


家のイメージは、
施主と対峙した時に感じるキャラクターや
敷地と対峙した時の印象が合わさって出来上がります。


民家をベースに設計しているからでしょうか、
辺りを見回せば、結構ヒントになる民家が建っているケースも多くあります。


それらのヒントから、
施主や敷地にあわせ、細かい調整を繰り返します。



今ようやく、プランがまとまりつつあります。
迷った時にはもう一度現地を訪れて
現場から感じられる素直な情報に耳をすませます。


大切なことは
周辺の情報を利用して、自分の情報として咀嚼せずに
そのままアウトプットすることの無いように、注意することです。


その場所に住んでいない設計者が
単純に敷地の情報を自分の形を成立させる為の
アリバイづくりに利用することは本末転倒です。


そんなアリバイに満ちた建物が、メディアでは「建築(ケンチク)」として
褒めそやされている訳ですが、
初めから形が決まっているものでは、なくて、
なんとなく自然に。
なんとはなしに素直に。
そうして立ち上がってきたものだけが「民家」とよばれるに
ふさわしいのではないでしょうか。


そういった説明するのが言葉では難しいものは
メディアには歓迎されませんが
いいものって、
大概そういう運命なんだろうと思います。


でも、現在のひとたちは
結構そのアリバイに満ちた建物に懐疑的で
そのあやしさに敏感なようです。
設計者よりも、一般の住まい手の方が
そのへんの感覚が優れているように思います。





けっこう都会なのに
長閑な良い場所です。


敷地近くには、肥沃な田畑が広がり
無人の野菜販売所もあります。


こんなふうに、土地に根ざした素直なコミュニケーションがとれる
家になればいいなと思っています。

もうすぐプレゼンです。

緊張します。



ゆあさ




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