前回までのおさらい
o-sumi.hatenablog.com
丸太。日本の松です。
形(ナリ)と成り(ナリ)。そんな言葉が思い浮かびます。
丸太の形状により削り具合が微妙に違うおもしろい材料です。
丸太と言っても設計者によって仕上げは千差万別です。
1:皮を落としたほぼそのままの形を使う設計者。
2:皮を落として両側だけを真っ直ぐ切り落とす、タイコ落としという形状にする設計者。
3:2のタイコ落とし+αの設計者。
もともと自然のモノは美しい筈なのに
そもそも削って、鉋を掛けて、形を整える必要があるでしょうか?
大角設計室はあると思います。
なぜなら、本質的に美しいものであっても
人間はなかなか「美しい」と感じることはできません。
ちょっと話が難しいですね。
喩えるなら、幾ら最高品質のお米、野菜、魚、肉が手に入ったとしても
ほとんどのモノは、そのままでは人間の口に合いません。
適切な大きさに切って、煮て、焼いて、初めて味わいを豊かに楽しめます。
「形の変質」が必要なのですね。
話を丸太に戻しましょう。
形を作る為に、機械に頼ることも大事ですが
自然の本質的な美しさを手軽に引出すなら、
圧倒的に、もう圧倒的に職人の技が有用です。
形は職人の技によってつくりますが、
その理想のカタチを導く設計図が必要です。
設計者のアウトライン。
その双方がそろってはじめて成るのではないでしょうか。
勝手に上手くいく訳ではありません。
一般的には木造の世界は「匠の技」とよばれる世界が周知されていますが
実は、技術はデザインされないと、一般の人に美しいと感じる世界に到達出来ません。
将棋で言うところの「歩」が「と金」に成るように
まったく違うものに変質する瞬間があります。
最近はギリギリまで手数を減らして、
自然の本質を引出しつつ、デザインを加えた新しい美しさに挑戦しています。
最初の写真は、「自然」と「デザイン」が同居した一本です。
ゆあさ
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