大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

これがあれば


秋ですね。

この季節、黄金の稲穂が建築を美しく染めあげます。

秋にさんま食べちゃえばいいみたいな感じで
建築と田園風景は相性が良いのです。

でも田園風景を支えてくれている名もなき農家のかたがたが
引退されたら、どうなっちゃうんでしょうね。日本の風景は。

無償で、あまねく人にこんな素晴らしい風景のデザインを提供している
農家の方々には本当に頭が下がります。


そういった風景を壊さない、むしろそう言った風景を守りたくなるような
建築に再生できれば良いなと思います。



そんな稲穂の揺れる風景のように
建築工事にも、これさえあれば仕上がりが全然違うって工程があります。


それはなんでしょうか。


それは・・・・・



「鉋(かんな)」をかけること。


その削りカス数ミクロンの仕事があるなしで
建築が輝くものになるかどうかが決まります。

けっこう、鉋をかけない大工さんが増えています。
製材の段階で充分綺麗なのですが、最後に大工さんが加える
鉋の技術は断然違います。



建築は、最後まで見える所を「仕上げ」。
最後には壁や天井に隠れてしまう所を「見え隠れ」。等といったりしますが
鉋をかける大工さんは、この見え隠れも綺麗です。


大工さんの矜持を
鉋の数ミクロンの鉋屑に垣間みることができます。




ゆあさ