大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

再生の設計

「再生について」シリーズも3回目。   →記憶を呼び覚ますためクリック これまでの「再生について」おさらい
いよいよ今回は大角設計事務所による再生物件の設計についてご説明しましょう。
先ず実測したフリーハンドの図面を、事務所に持ち帰り、清書し直し製本します。


フリーハンドで書かれる図面


大角設計で実測調査にかかる時間はほぼ一日で済ませる事が出来るのですが
一般的に行われている調査はもっと時間がかかる事が多いようです。
短期間で調査を完了するためには、ちょっとした経験やノウハウが必要です。
実測調査を何回も繰り返して行くと
本当に必要な寸法がどこの箇所なのかが分かってきて要点をおさえた図面がかけるようになってきます。
事務所に入ったばかりの頃は、ほぼ何も説明されず(聞いてなかった可能性もありますが)
「さぁ描いて」と実践重視主義の中で、闇雲に実測していました。
持って帰って、さぁ清書だ、となって初めて必要な寸法の取りこぼしに気づき苦労しました。



平面図


断面図



清書されて製本される意味


目の前になおすべき家がありますが、ご自分の住まいを
どのようになおしたいかを、他人に上手に説明するのは容易な事ではありません。
では、どうすれば設計者に住まい手の気持ちを伝える事が可能になるでしょうか?


そこで大角設計室では実測図面を清書し製本します。
一度、平面や断面の図面に描き起こす事によって
客観的・記号的に家や空間をとらえなおすことが簡単になります。




例えば以下のような事は口で説明しようと思うと意外と難しいのではないでしょうか。


・実際に自分の家はどのくらいの広さがあるのか?→(どれくらいの部屋数になおす必要があるか)
・自分の家の方位は南に対してどのくらい傾いているのか?→(日当りが良い間取りにはどうすればいいか)
・階の高さ、屋根までの高さはどのくらいあるのか?→(階段がゆったり上げれるものになるか。天井は高くできるか?)


図面があれば打合せにより、現在の家が何を解決すべきかを見いだすことが出来ます。
一目瞭然で設計者だけでなく、住まい手にもわかりやすく家を考える手がかりとなります。



断面図も清書し平面図と一緒に製本します。
次回打合せで更に調査が必要となる箇所のメモ等も同時に記入していきます。



既存図面をもとに第一回目の打合せ

既存図面の清書が終わると、いよいよ本格的な打合せがはじまります。
住まい手も、この時点ではじめて客観的に、家の全貌を実感される方がほとんどです。

住まい方の希望や、家族構成、工事期間、既存家具で使用できるものの確認、
金額等・・・多岐にわたる要望を
図面中に記入したりメモを取りながら打合せが進められます。
ここで出される要望のなかで最も重視すべき要点を押さえつつ
より豊かな暮らしを行う為にどうすれば良いかを設計者は考えます。
そうして、第一回目のプレゼンに向かい案を練り上げていきます。



次回から基本設計へと話はすすみます。

つづき「再生について」基本設計へ


ゆあさ