大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

再生の基本設計

「再生について」シリーズも4回目。   →記憶を呼び覚ますためクリック これまでの「再生について」おさらい
今回は、大角設計事務所による再生物件の基本設計についてご説明しましょう。

まず「基本設計」という言葉について説明します。
設計プロセスは二種類の設計図がかかれます。
1つ目は基本設計図。主に施主の方との打合せに使用される図面です。
2つ目は実施設計図。工事をおこなう為に主に施工業者の為に描かれる図面です。

今日のテーマである基本設計図は、
簡単にいいますと、「間取り」を決定する段階で描き込む図面です。
具体的な例を挙げると「子供部屋が2つ欲しい」「居間を大きい部屋にして欲しい」
「キッチンは対面式のオープンなものにして欲しい」というようなことを示したものです。
面積・部屋の数・方位・部屋の配置・水廻りの有無等を
施主の方と打ち合わせをしながら決定します。



たたき台をつくる

大角設計室の場合、基本設計の打合せは
施主の方の要望を基にまず、一枚の図面を描く所から始まります。模型をつくる事もあります。
図面という形があることによって、施主の方も要望が伝えやすくなります。
図面や資料を見ながら打合せをすすめます。
例えば、この部屋はもっと大きくして欲しいであるとか、
キッチンは対面式にしたいとか、タタミの間が欲しい等です。

そうしたプロセスを経て、施主からの要望をすこしずつ具現化していくのですが
打合せ時の要望を「何が何でも全部」取込むのではなく、
「あえて要望を少し変化した形」で案をつくる事があります。

なぜでしょうか?




要望の本質の見極めと、基本的事項の改善

打合せ時にお聞きした要望リストの中には、意味合いの相反する物や
住んでいるうちに後々困る事になるのではないかと懸念される事が含まれている場合があります。
また要望全て満たすと予算が限りなく必要になってしまう場合があります。
そうなってしまうのは仕様がありません。
ほとんどの方は家を作る経験は1.2回ほどだからです。
家づくりは夢を膨らませるのが楽しい時間なのです。

基本設計の打合せを重ねる度に、
本当に施主の方が大切にしたい要望は何かを整理し、一緒に見極めます。
そうすることで、本当に必要なものだけが残ったシンプルで
より良い、清々しい家になることがほとんどです。


理想のかたち・理想以上のかたち

設計事務所の一般的イメージは、自分の理想の家を形にしてくれる所です。
しかし設計事務所の本当のあるべき姿は、
施主の方の要望をベースに、「理想以上の家」を提案していくことです。
数ある設計事務所ハウスメーカー工務店のなかで、
わざわざ大角設計に話をしにきてくれる訳ですから、
大角設計室にしか出来ない提案をしたいと考えています。



施主の方の要望を聞くだけなら、どの事務所・工務店でも出来ると思います。
ですが、施主の方が
「こんな家は思いもしなかった」「こんな暮らし方もいいかも」
と、いっていただけるときは本当に嬉しくなります。
世に溢れている情報に溺れる事なく
キラリと光る提案を出来るよう今日も基本設計図を描いています。

つづき「再生について」実施設計へ

ゆあさ