大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

自然素材をつかうこと・手を加えるということ

自然素材に対する設計スタンス


写真は二本の丸太が写っています。
黒い丸太は昔の丸太です。木地のままの丸太は新材です。
どちらも手を加えてあります。
古材はチョウナという道具で形を整えられています。
新材はカンナをかけて八角形に近いかたちに整えられています。


昔の人は自然に畏怖の念を感じながらも、更なる美しさを見いだしました。
その恩恵を最大限いかせるデザインを考えることに、つくり手は心をくだいてきました。
民家はそうした人の手により心をこめられた作品となってはじめて
長い時代を生き抜ける住まいとなります。


一枚ものの大きな無垢の木材を前にすると、
ついつい木の魅力に頼り過ぎになって
デザインする工夫を怠ってしまいがちになりるのでいつも反省しています。
無垢であれば無条件で美しいと思ってしまいがちです。

自然のものは自然のままつかうのがいいという考え方。
自然そのものの素朴なデザイン。そういうケースも確かにあると思います。

しかし、自然のものは「適切に」人間が少し手を加えてやる事によって
劇的に美しく生まれ変わる可能性があるのも事実だなぁと思います。
そんな設計をしたいなぁと、仕事をしながら考えています。


ゆあさ