大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

続続・見学会住宅紹介

6月17.18見学会の住宅にお越しいただきありがとうございました!

またいつか機会がありましたら

ゲリラ的に開催しておりますので、今回来れた方も

そうでなかった方も、次回もいつでもウェルカムです。

お待ちしております!!

 

 

:古いものを、ただ使えばいい訳じゃない

 

 

さて、見学会住宅シリーズ最終回です。

続きを書いてきましょう。

前回までのキーワードは、この家は道路拡幅に伴い既存の住宅を壊し、

新たな新築をデザインするというストーリーになっています。

 

そして、既存の住宅から「再利用できるものをリ・デザイン」して

昔の良さを取り込みながら、新しい魅力を加えていくことにしています。

 

 

 

具体的に言うと「丸太」などの構造材を主に再利用しています。

 

掲載しているモノクロの画像は取り壊す前の構造材です。

 

 

こちらのモノクロ画像も、取り壊し前の構造材の様子です。

 

取り壊し前は客間の小屋裏に使われていた、構造材と

取り壊し前に台所食堂に使われていた構造材の

二部屋の構造材の中から、新しいプランに使える材料を選定し

リ・デザインしていきます。

 

 

そうして出来たのが、この空間です。

 

どうでしょうか?

何か感じるものはありますでしょうか?

 

 

皆さんがうっすら思っていることを当てましょうか?

そうなんです!

「どこに古い材料使ってるか、ワカラナイ!」

と、思っているのではないでしょうか。

 

 

でも、確かに、一度解体して、再利用しているんですね。

加工場にもってかえって

再度どの部材をどのように再配置するかをデザインしています。

 

私達大角設計室が目指すデザインの肝がじつはココにあります。

 

 

そのデザインで大事にしているところとは

「これ見よがしに(わざとらしく)古材を使わない」

というコトです。

 

 

よく、「古民家風○○」とかいわれるデザインで

これ見よがしに、古材が、空間とはなんの脈絡もなく

一本だけ使われていたりするデザインを私達は好みません。

 

何故でしょうか。

 

それは、デザインではなく

「ただ古材の魅力に頼っているだけ」だから、

むしろ古材の本当の魅力を損ねることになりかねないからです。

 

 

これ、つかっとけば間違いないだろ、という考え方ですね。

確かに古材そのものに魅力はあるのですが、

もっともっと、より良い使い方があるのではないか?

というのが大角設計室の考えです。

 

 

:古いものや手仕事を使う魅力

 

最後に私達大角設計室が、古い物や手仕事といった

時代遅れとも言われるデザインを現代の住まいに取り入れている理由

少し説明していきたいと思います。

 

このプロジェクトでは、古い石も再利用しています。

 

どうでしょうか。

 

石のサイズや形、色、間隔などがバラバラで

ガタガタしていて目がつかれる感じ

がするでしょうか。

 

 

ではこの写真は如何でしょうか。

 

なんだかさっきの印象に比べると、荒々しい石畳の感じが

やわらかなアプローチに変わっていると思います。

 

そうなんですね。

デザインによって、古い物の魅力って、いかようにも変化します。

 

 

本当に自然のものって均質なものはないんです。

 

だから、現代の住宅は無理やり自然物を工業製品に加工していきます。

その方が、造り手に取って、テマヒマカネの問題をクリアしやすくなります。

 

だけど、大角設計室はその流れとは逆に

自然物をいかに自然の魅力を損ねずそのままデザインに昇華できるかを

考えています。

そうすることで特別な空間が出来上がります

 

それはどんな特別な空間でしょうか?

 

それは、「不均質だけど美しい」という状態です。

 

これは言葉だけで考えると良く意味が分かりずらいと思います。

大角設計室のめざす住まいの理想形は

コトバでは表現し辛いのです。

 

コトバや数値ではっきり表せないものは価値がないといわれる

昨今の価値観とは、逆行しているかもしれません。

 

ですが、

どうにか、こうにか、ブログ読者のみなさまに伝えたいと思っています。

コトバ(考える)より先に、心に届く住まいを

これからもひとつ、ひとつ、丁寧につくっていければなと思っています。

 

 

ゆあさ