大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

軒先

再び京都の現場に行ってまいりました。
今日は屋根の軒先のデザインについてブログを書きます。



この現場は横に建物が長い住宅です。
そこでアプローチから見た時に水平のラインが強調されるようにデザインしました。

その水平に見せるデザインの一つがこの瓦です。
通常は「万十」(まんじゅう)という丸い形が付いたものが一般的ですが
この現場では、水平を強調する為に万十の付いてないものを採用しています。
このように水平を強調する為に昔からある瓦のデザインを「一文字」(いちもんじ)といいますが
今回はその一文字の略式の瓦をつかっています。

再生工事の場合、屋根を支える既存の部材はほとんどのケースで
上下左右に歪んだ状態になっていますから、
瓦の軒先が真っ直ぐに水平になるように整える事は、かなり困難な工事になります。
一本一本高さを調整し、
「新築よりも真っ直ぐだよ」と
棟梁も誇らしげでした。

そういった積み重ねが、迫力あるファサードに繋がっているような気がしています。
みなさんも空を彩る瓦に注目してみると面白いですよ。


ゆあさ