年も明け、玉野の現場へと足を運びました。
あいにくの曇り空でしたが着々と工事が進んでいます。
葺きたてほやほやの瓦屋根が迎えてくれました。
山を背負った家は迫力があります。
玉野は岩が観光資源になるほどに堅牢な土地です。
山は岩で覆われ、痩せた木々しか生えていません。
そういえば周辺には採石場もたくさんあるような気がします。
そんな土地だからこそ掘削の必要のない”法枠工法”の擁壁がほとんどです。
(法枠工法とは文字通り法面に直接打設する、写真の背後に写ったワッフルのような擁壁です。)
ぼくはこの三次曲面の擁壁がなかなか好きなのですが、どれぐらいの賛同が得られるでしょうか。
土木工事は得てして地形を変える行為ですがこの擁壁は限りなく地形に寄り添います。
しかしその行為の意思決定は”思想”ではなく先に述べたように”生産主義”です。
そんな意思のない構造はいみじくもシュルレアリスムの定義に当てはまります。
などとこの機会に感覚の言語化を謀ってみました。
感覚的な”なんとなく”を掘り返す思考の整理はデザインに関しては非常に重要です。
うんと意思を持って構造を作る自分たちはその体系に関しては読み取るのみですが。
大きく話がそれましたが笑
玉野の現場に話をもどします。
瓦は綺麗に葺かれています。
斜めから見ると線が通ることが綺麗に葺けている証拠だそうです。
水道屋さんが基礎に穴を掘っていました。
その切り口が美しくておもわずパシャり。
研ぎ出しのオブジェのようです。
既存の基礎なので多少石含有量が多いように思いますがへっちゃらで切り出してしまいました。
床下には様々な配管が仕舞われています。
温水や冷水、排水に電線、ガス管。
家としての当たり前の機能ですが
当たり前に到達することの大変さが現場に行くたびに思い知らされます。
様々なプロが手塩にかけて出来上がります。
うえにし