大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

あみん

【松杭は打たれる】

新築工事現場です。


今回は松杭を用意し
地盤に打ち込み、基礎工事をする前に補強を行ないました。
私の担当する現場では、二回目の経験になります。


写真にうつっている、太い鉛筆のような物体が「杭」です。


最近ではあまり見かけなくなった工法でして、
現在では、地盤改良方法として
コンクリートや鉄管を地中に埋め込む工法が主流です。
ですが、なかなか金額が高いことが多くネックになっています。




【腐食のリスク】


地面の中に木を埋め込む訳ですから、
「腐っちゃうんじゃない?」
と単純に考えると思われることでしょう。

そのとおりです。通常腐ります。
そもそも木が腐る理由は4つあり、その4つがすべてそろう時
腐食は始まります。

その4つの要素とは
・1「温度」
・2「酸素」
・3「水分」
・4「栄養分」

簡単に言えば、菌が木に繁殖して腐らせるのですが
菌もいきものですから、快適に過ごせる温度や生きて行く為の空気・水・食料が必要であるという単純な話です。
ですから、木を腐らせる菌を防ぐには4つの要素のうち一つでも改善出来れば
腐朽菌は生きることが出来ません。




【いつまでもまつわ】


さて本論に戻りましょう。
松杭を地中に埋め込んでも腐らない条件とは
「地中に水分が多い地盤」であるか?どうかということです。

ん?
水分があると腐っちゃうんじゃない?と思われることでしょう。
しかし水中には酸素が欠乏しています。
そのため、意外なことに水没している木は腐りません。




松杭の歴史はふるく、最近の事例をあげると
最近改修された、「東京駅」の下には、恐ろしい程の長く太い松杭が打ち込まれていたそうで
改修時に、続々発見されたそうです。長いものは16〜17mほどあったそうです。
どうやって打ち込むんでしょう。

その昔見たのですが
鹿島建設か何かのゼネコンのポスターで、菅原文太氏(?だったかな)と
実際に発掘された松杭が横にならんだ写真が印象深かったです。


こういう技術も受け継がれていって欲しいものですね。



ゆあさ