大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

家づくりのキーワード

多くの方が、花見を満喫されていらっしゃると思います。


桜を見て心が和む。ただ、それだけの事なのにシアワセ。
人間の本質的な欲求は、なんとシンプルなことか、と実感します。


  


設計の仕事に携わると、「How to本」と呼ばれる
家づくりの指南書のようなものを良く書店で目にします。

予算のことや、間取りのこと、工務店選び、設備器具の善し悪し等々。
多岐にわたって細々と丁寧に解説してあり、
勉強になるところもあります。
反面、多すぎて一般の人は逆に何が真実かまよってしまうのでは?と感じることもあります。



今日ブログに載せた二枚の写真は、どちらとも学校の廊下です。
一枚目は、大角設計室が設計・監理した「おかやま山陽高校
二枚目は、京都の現場の帰り道にある田舎の小学校です。


シンプルに「つなぐ」という目的の為につくられた事は間違いありません。
しかし、この空間はふつうの廊下より、気持ち良さそうではないですか?
その秘密は何でしょうか?


  僕はこう考えます。

    答えは「美しい」からです。

    多くの家づくりの指南書には書かれていないキーワード「美しい」こと。


多くの人々は、春になるまで桜の木の存在を
山並みに、街並に感じることは出来ないのではないでしょうか。
春になり、その美しさを感じた時にはじめて人は、桜の木の下に集い
居心地のいい時を過ごすことになります。

つまり、「美しさ」が空間に「伴わなければ」
人は、豊かな気持ちになる機会を減らしてしまうかもしれません。


大角設計室は、「美しさ」だけをめざしている訳では勿論ありませんし、
機能的・実用的な検討も十分します。
しかし、それだけでは不十分だと思います。


家は「美しく」あるべきではないでしょうか?


家づくりのキーワードに「美しい」かどうかを
新しくチェックしてみるのも面白いと思います。



しかし、設計者も見せかけの「美しさ」にとらわれることなく
桜のように、シンプルでずっと愛される、「本質的な美しさ」をつくれるかどうかが
試される時代になりつつあると思います。


ゆあさ