大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

蔵の壁補修

瓦ぬブログはアキタと言う方々。

さいきんすっかりブログ更新がご無沙汰デス。

いつも楽しみにしていただいている方々申し訳ありません。



メンンテナンスにいってきました。
事務所近所の現場です。


蔵の壁が一部崩落しました。
今後どうするかについて、色々調査する為
現場にベテランの棟梁と行ってまいりました。


この棟梁はいつも含蓄のある言葉や
豊富な経験談
僕に教えてくれます。




普通は「この壁のなおし方はこうしましょう。」
と話してオシマイな訳ですが、この棟梁はちがいます。


「この蔵の竹の編み方ワァ〜」だとか
「蔵の柱ゆ〜たらァ普通は○○で〜」
「他の家の基礎の石をみてご覧なせぇ」と言いながら
100年以上前に蔵を作った人を責め始めます。
当時の職人に原因があるから今このように壁土が落ちると感じているんですね。

名もなき職人たちは100年200年先に自分たちの仕事で
恥じ入る事がないように、本当に真剣に家づくりに取り組んでいるのだなと
あらためて実感しました。現代でもその矜持をもった職人がいるなんて!

そしてその職人方と仕事が出来るなんて!




そうした深い考察のもと、費用対効果を施主の方と話し合い
本格的になおすのは、もう少し先にする事にして、
仮に応急処置程度に修繕する事に。


しかし、先ほどの話の後だけに
本当はちゃんとした手当をしたいのだろうなと
イタイ程気持ちがわかりました。
そうはいっても金銭は一番の現実です。
職人の方々はグッと自分の気を鎮め、出来うる最善を尽くしてくれます。
そういう心持ちの職人の仕事は、金銭の大小に関わらず
間違いなく美しいものが出来ます。


設計事務所は、オシャレだとか
敷居の高いイメージがありますが、
地方のアカヒゲ先生的な役割を果たしております。

棟梁の言葉からは、
ごくごくありふれた(しかし、レベルの高い)存在でありなさい、と教えられた気がします。
遠慮なくご相談下されば、嬉しいなと思います。


ゆあさ