大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

いよいよ建て方

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上棟にむけて木材の刻みは続いています。
あらかたの加工はもう終わっており、もう少しで完成なので
仕上の肌理の具合や、今後の日程等を打合せにいきました。
今回は特別にチョウナ仕上げを採用しています。

手斧(チョウナ)は、昔の製材機械がない頃には必須の道具でした。
山で木を切り倒し、枝を落とし、必要な形に手斧で整えます。
つまり元々は製材をする為に仕様無くしていた作業であって
仕上としてわざわざ木をハツっていた訳ではありません。




打合せ相手の棟梁です。
あまり喋る方ではありません。黙々と作業をされます。
この世代のこういうタイプの大工さんでないと
あんなにチョウナをかけて丸太全てをハツルのは不可能だったろうと思います。
手斧(チョウナ)は大変危険な道具である為、扱いは慎重になります。

現在の製材は機械や道具の発展に伴い
チョウナは「機械で製材をした後に」使用されるという
本末転倒な使い方がなされています。
しかし機械を使用する場合、注意しないと往々にして
チョウナの跡がなんとなく浅い、白々しい仕上になってしまいます。

何事もチョウナの本質とは何かを考えたり感じたりしていないと
形だけのモノマネでは昔の技術の美しさは表現出来ません。
居酒屋等に使用されているチョウナ仕上に見応えがないのは
多分そんな理由ではないでしょうか。

今回は昔にならい、製材の為にチョウナを使用していますので
仕上がりが楽しみです。




さて、現場では上棟に供え足場が組まれ
土台や柱等が持ち込まれています。



いよいよ始まるぞと、夕焼けの空に
建物の輪郭線を思い描きました。

いやー楽しみ。


楽しみにしているといえばもう一つ、



みやひろ 中華そば+浜松餃子



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ゆあさ