大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

みあげてごらん

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さて浜松。
じゃんじゃん進んでおります。
大工さんも増員し、一気に完成に向かっております。

内部はほぼ完成していますね。


今日は、写真のアングルを少し持ち上げて
見上げた時、何が見えるかをご紹介します。




住宅が戦後産業として成り立つにあたり
大量生産する工夫がいろいろ模索された訳ですが
その一つに「天井」を取り付けることがあげられます。

昔は土を載せた上に瓦を葺いていた訳ですが
戦後、屋根素材は比較的軽量なものが開発され
屋根を支える構造材は細く、少量で事足りるように
簡素化されました。




それはそれで、時代の流れに沿った
スゴい発明だった訳ですが、
屋根を支える構造材が細く、少量になった結果
天井の中に隠してしまうようになりました。
それまでの立派な梁丸太の文化に慣れてきた日本人にとって
簡素過ぎて、削ってもいない細い角材は見劣りがしたことでしょう。




天井は電気の配線や、断熱材を設置するのに
有効な空間をうみ出します。
梁の見えないすっきりとした空間は、当時
新しいモダンな生活を予感させるものだったに違いありません。

しかしながら、
天井をつけるにしても、屋根を支える構造を見せるにしても
昔ながらのやり方に見られる良いところ、
言い換えるならば「美しさ」を
全て最初から無かったものとして隠して作ってしまうのは
もったいないのではないかナァと思います。




傾いた天井に構造材が見えると
屋根を支える為のあるべきものがちゃんとある、という
自然の理を視覚化できるので
何か個人的には落ち着きますし
シンプルというより「豊かさ」という言葉が相応しい空間に
なるように感じています。






それはまるで浜松餃子の中央にもやしがあると
シックリくるに等しく。

これがなくっちゃナァと思う
空間のコンビネーションが、皆様の家にはあるでしょうか?




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ゆあさ